2009年10月25日日曜日

23、パーティー紹介

 今回は攻略の部屋で私が使っていたパーティーを紹介します。

【ギャラドス 意地っ張り ソクノ】
【滝登り エッジ 挑発 竜舞】
【攻撃252 素早さ調整 残りHP】

【ロズレイド 臆病 スカーフ】
【眠り粉 リーフストーム ヘドロ爆弾 めざパ炎】
【素早さ248 特攻248 残り耐久】

【サンダース 臆病 雷プレート】
【10万ボルト めざパ草 身代わり バトンタッチ】
【素早さ調整 特攻248 残り耐久】

【ゴウカザル 無邪気 珠】
【インファイト オーバーヒート めざパ氷 マッハパンチ】
【素早さ252 攻撃252 特攻4】

【ハッサム 意地っ張り ハチマキ】
【とんぼ返り バレットパンチ 追い打ち 馬鹿力】
【攻撃252 素早さ調整 残りHP】

【ゲンガー 臆病 メガネ】
【シャドボ 気合玉 10万ボルト 凍える風】
【素早さ252 特攻252 HP4】

 完全に潰しに特化したパで、素早さと攻撃以外に裂いた努力値はほんのわずかです。アイテムも拘り3つに珠プレートと一貫し、ギャラドスだけは半減実を持たせています。潰しだらけで不安定そうに見えますが、今までに作ってきたパの中で最も勝率が高く、急所で不利になった試合などでもリカバリーが利きやすかったです。
 このパのメタの対象はポケモンレベルで言うと【ボーマンダ、ガブリアス、スターミー、ゲンガー、ゴウカザル】などのメジャーどころを、天候は砂と霰を、またソーダグも意識しています。結構手広く意識したのでパッツンパッツンの構成になっており、弱点もいくつかあることがわかっています。以下個別に解説を加えると

【先発ギャラドス】
 先発は以前の記事で述べたようにできるだけ多くの範囲をカバーできることからギャラドスを選択しました。「ゴウカザル、ハッサム、マンムー、ラグラージ、ドータクン、カバルドン」などには有利に立ちまわることができ、「ギャラドス、ボーマンダ」に対してはエッジを打ち込んで互角、「サンダース、スターミー、ゲンガー」には不利になります。 有利対峙の場合は敵に応じて挑発でステロを止めたり滝登りで押したりで水受けのミロシャワを呼びます。敵のギャラドスが割と苦手なパなのですが、初手で一発エッジが入れば後は誰でも対処できるようになっています。マンダは無邪気珠流星群はだいたい耐えるのでエッジが一撃入ればこれも十分としました。
 不利対峙にはとりあえずサンダースを出していきます。ここで交換読みを打ってくれば強い相手なので以降の立ち回りに注意が必要で、素直に10万なら瞬間攻守逆転です。本当は水プレートを持たせたいのですが、初手グロスに対して雷パンチを持っているかどうかを確認するために一発は滝登りで押したいところなのでソクノ持ちです。これはミロシャワのめざ電を食らいながら無理やり突破するときにも役立ちます。

【水起点ロズレイド】
 ギャラドスで読んだミロシャワに出していきます。流し際には「ハッサム、ボーマンダ、ゴウカザル」を良く呼ぶので、起点にされないために流し際は眠り粉の一手です。これで75%の確率で無償降臨が約束されますし、25%ではずしてしまってもスカーフがばれますがもう一発眠り粉で不安はありません。50戦以上しましたが、2発連続で外したことは1回きりです。
 また、こいつの大事な仕事の一つにギャラストッパーというものがあります。基本的にギャラドスはこちらのサルにしか出て来れない構成なのですが、その場合に舞読みでこいつが出ればリーフストームで致命傷を与えられます。フシギバナとの比較で一番大きいのはこの素早さ種族値の高さかもしれません。スカーフヘラも止められるのは大きいです。
 こいつの自然回復は地味に強力で、シャワーズにあくびをもらって構わず眠り粉というおいしい場面もありました。

【エースサンダース】
 現環境最強のアタッカーではないかと思います。電気というタイプは攻撃に優れ、受けるのが難しいです。有利対峙の身代わりは絶対安定で、仮にハピカビを読んでも止まるどころかむしろサルにつなげて起点にしますし、ラグラージ系やドサイドンには草が刺さるので呼んで殺すことができます。めざ草のデメリットはガブリアスに打ち負けるという一点に集約されますが、めざ氷がメジャーすぎてガブは出て来れず、ガブが出てくるのはラグを殺した後ということが多々ありました。
 サルギャラが止まる水受けに総じて強く、HPに余裕があれば直に出ていくこともあります。また、HPがバレパン圏内に入ると途端に動きが悪くなりますので、身代わりを打つか直に10万かはケースによります。素早さを多少削ってHPに振っているのはハッサム意識の選択です。出てくるか分からないようなマニュやオオスバメを意識するよりも2戦に1回は出会うハッサムを強く意識しました。

【エースゴウカザル】
 1年近く色々な型を試してきてたどり着いた結論はASの物理型です。特殊型をずっと使っていましたが、はっきり物理型の方が使いやすかったです。特に重要なのがハッサムやメタグロスに対峙した時にインファイトを打つこと。これでミロシャワに刺されば約50%なので食べ残しがなければそのまま突破できます。ドククラゲを呼んだ場合も差は顕著で、インファイトがヒットすれば50%弱なのでいったんは引っ込みますが、二度目の流しは成立しないのが大きい。特殊型はここで草結びを打たないといけないのですが万が一のグロスハッサムの居直りに対してろくにダメージが通らないので一回の読み間違えで一気に形勢が傾きます。また、特殊型は草結びではシャワーズとクラゲの突破が難しく、いわゆる「止まる」状態になるのが問題です。
 特殊は無振りでも珠を持っていればガブマンダには十分なダメージが入りますし、オバヒを使えばグロスやフシギバナは一撃なので無振りで全く問題ありません。猛火は基本的にないものとして考えます。
 残りのスペースはギャラに刺さる雷パンチ、便利なアンコが考えられますが、ルカリオへの強いメタおよびストッパの役割から先制技を選択しました。この選択はどれを選んでも正解はないと思います。

【追い打ちハッサム】
 普通のハッサムですが、素早さは比較的高めに調整してあります。あまり素早くするとスターミーやゲンガーを追い打ちで狩るHPが足りなくなってしまうのですが、こいつはラグラージとかメタグロスとか先制でとんぼしたい相手が多いので素早さ調整は必須です。HA252振りとかはほとんど仮想敵がないのでHPを削るのに問題はありません。
 スターミーとゲンガーを狩るのが一番大きな仕事ですが、よほど半減読みに自信がない限り直接は出しません。交換読みドロポンや気合玉がヒットすると狩れなくなるためですが、死に出しでもこいつらを一匹持っていけると考えれば十分な仕事です。また、スカーフボーマンダの流星群で誰かが死んだりしたらこいつで狩ることもありました。
 有利対峙にはとんぼを選択し、極力場に残って起点にされるのを避けるのが重要で、受けられやすいバレパンもぎりぎりまで打たないように気を付けました。ギャラドスやボーマンダが出てきてもとんぼ返りを選択していれば起点にされることはありません。

【ノーマルすかしゲンガー】
 ここの枠は最後に決まったのですが、ルカリオを意識すると必然ゲンガーになりました。ルカリオだけでなくエテボース、ウインディあたりのノーマル技を読んだり、ポリゴンZのトラアタをすかす、さらに先発タスキがむしゃらマンムーとゴウカザルのがむしゃらをすかすなど、読みさえ当たれば無償降臨の機会は多いです。ゴウカザル対ゴウカザルになったときのインファイトは簡単に読めるのでサルにも出ていきます。持ちものはメガネの一択で、無邪気サルが一撃、無振りハピナスが気合玉2発など、良いダメージを叩き出します。
 こいつがハッサムに狩られると形勢が傾くので基本的にシャドボは打ちません。流し際は気合玉と10万ボルトを意識的に選択し、出てきたハッサムに致命傷を与えるのを狙います。ハチマキ型か特殊受け型かはダメージでわかるので、この交換読みが成功すれば追い打たれる心配はありません。

 対戦ではボーマンダとかミロカロスが入っているような普通のパが一番多くあたりましたが、総じて戦いやすかったです。砂、霰に対しても有利なポケモンが多いので苦労はしませんでした。もちろん、砂隠れや霰隠れが発動して困ることはありましたが、一回くらいなら挽回できました。トドゼルガを考えるとサルにアンコを持たせるのも考えられましたが、素のままでもトドに全員が抜群を取れるのでギャラドスの挑発を含めて完全に詰むことはめったにありませんでした。
 特に有利だったのはソーダグ、もしくはナンスだけを採用しているようなパで、捕らえられても全く困りませんでした。スカーフロズレイドだけは眠り粉で捕まるとやばいんですが。

 一方、苦手なのは雨とスカーフです。雨というのはいわゆるタッチ雨のようなグドラだけ入ったパではなく、ガチガチにグドラルンパカブトプスと入ってくるような雨です。このようなパは貯水で止まるので一般に勝率は悪いはずですが、このパは受けがいないので良く効きます。実際にはグドラ一枚差しのパばかりだったので困りませんでした。

 スカーフは具体的にはゴウカザルとガブリアスが対処に困りました。これはこちらのスカーフロズレイドよりも早いのが原因で、負けた試合のほとんどはスカーフサルとスカーフガブに持って行かれた気がします。

 また、実はプテラとクロバットというこちらよりも早いポケモンにも弱いです。こいつらはさすがにマイナーでほとんど見ませんでしたが。

 受けのいないこのようなパで安定した勝率を確保することができたのは「起点を利用して攻撃しつつ、こちらは起点を与えない」事を意識したためと思います。ハッサムのとんぼ返り、サンダースの身代わりバトン、ロズレイドの眠り粉は有利対峙のアドバンテージを確実に継続させ、相手に起点を与えません。

 ギャラドスはサルハッサムというメジャーな起点を持ちつつ一回舞ってしまえば水受けのいないパは一気に崩壊させることができます。サルとゲンガーは読みの必要なポケモンで、有利対峙だからといって適当な技を選択してはアドバンテージを失います。サルはインファイト、ゲンガーは気合玉or10万ボルトを基本に交換読みをしていく事になります。

2009年9月28日月曜日

22、対戦の流れ

 6on6の対戦の流れ、特にある程度拮抗した潰しパ同士の対戦の流れについて考えてみる。実際にはパに多くの受けを仕込んだ受けパや昆布パなども存在していてこの通りにはならないのだが、話を単純化するために潰しパの対戦を想定する。ポケモンの対戦はパーティー構築、ポケモン育成、実戦の3つから成り立っていると考えられるが、実際の立ち回りを想定することがパーティー構築に影響を及ぼしてくるのは言うまでもない。

 6on6の対戦はまず、お互いの手持ちが全くわからない状態で先発同士が対峙するところから始まる。

 序盤はここで相性の良い側が技をはなち、相性の悪い側が交換で応じるといった消耗戦が繰り広げられる。よほど下手な構築をしていなければ初手の攻撃で1匹落ちてしまうということはなく、しばらくは相性が良い側が攻撃を当て逃げする流し合いが行われる。
 しかし流し合いは長く続くわけではなく、どうしても受けられない攻撃に対しては1匹切って対応せざるを得ない場面が出てくる。もしくは交換読み役割破壊が命中して思いがけず1体失うこともあるだろう。このようにお互いのポケモンが消耗しだして1匹2匹と倒れていくのが中盤戦にあたる。
 そして死に出しの打ち合いからお互いに切るポケモンを選択しつつ残り3匹ずつくらいになるとバトルは終盤に入る。

 少々乱暴だがここでは6on6の対戦を以上の3段階のステージに単純化した。すなわち

1、6匹対6匹の序盤
2、4~5匹の中盤
3、3匹以下の終盤

 とした。以降では各段階にどのような駆け引きが行われるか考えてみる。ただし、考察は番号順ではなく後ろから順番に行う。

 対戦で常に考えるべきことは「どうすれば勝てるか」という事だが、そこからバックキャスティングで思考していくと「どうすれば有利な終盤を迎えられるか」という事を考えることがまず重要になってくる。勝ちやすい終盤を意識した上でそのためにはどのような中盤戦が求められるか、さらに序盤戦の戦略にまでさかのぼって考えることが可能になる。

3、終盤
 6on6の終盤戦の基本は「打ち合い」である。つまりタイマン性能に優れた潰しを多く残した方が基本的に有利になる。タイマン性能とはつまり素早さと攻撃力のことで、より早く、より攻撃力の高い方が勝負を制する。ただし、素早さは神速やバレットパンチによって覆されうる要素なので、単純に素早さが高い方が強いと言うのは正確ではない。要は敵のモンスター3匹全員に対して先制でき、かつ一撃で仕留められる状況ができれば勝利は確定する。
 珠神速ルカリオが6on6の終盤に圧倒的に強いのはこのためで、雨が振っていようがスカーフを持っていようが先制で仕留められる圏内まで相手のHPを削り込んでおけばゲームは終了である。ハッサムのバレットパンチ、ゴウカザルの真空波、エンペルトやマリルリのアクアジェットなど、そこそこの威力が叩き出せる先制技というものはこのような終盤戦に大きな威力を発揮する。
 次点としては雨グドラなども強力である。敵に雨ハイドロを耐えられるポケモンがいなければ3タテは容易である。
 さらにスカーフ全抜きもありえる話である。スカーフスターミーのキネシスで全員確1まで削られていれば先制技で止めない限りはゲームセットとなる。
 このように終盤を支配するためには敵のポケモンに対してタイマン性能に優れるポケモンを残す必要がある。多くの場合「先制技、スカーフ、天候、素早さ」などが終盤を勝ち抜くために重要な要素となる。

2、中盤
 中盤はお互いのポケモンが流し合いで消耗し、敵の攻撃を受けられなくなってくる段階である。この段階では来るべき終盤戦に備えて誰を残して誰を捨てるのかという取捨選択をしていかなくてはいけない。この取捨選択の判断は敵の手持ちを見て決定するのだが、中盤の戦いで相手の手持ちが全然判明していない、という状況は非常に厳しい。極端な話をすれば、相手の見えていない手持ちにハピナスがいるのに特殊ポケモンばかり残してしまった、などは事実上ゲームが終了している。また、相手の手持ちに厳しいポケモンがいることがわかっていても、それに対抗できるポケモンがパに残っていなかった場合も大変厳しいことになる。
 敵のポケモンが見えていなくても、見えている情報からある程度予想をすることはできる。対戦中に相手の手持ちを予想し続ける作業というのは面倒なようでも重要であり、情報量が多少不利であってもある程度はカバーできる。例えば、少なくともカバルドンのいるパに砂ガブがいる事くらいは初心者でも容易に想像がつく。他にも水ポケモンが1匹もいないパというのはなかなか存在しないので、スターミーかドククラゲあたりが入っているかな、などと予想できる。スターミーが入っていそうなパーティーは結構わかるもので、そこが読めれば中盤にサンダースとゲンガーのどちらかを切らなくてはいけない時にゲンガーを切るという選択肢を選べる。

1、序盤
 序盤ではより有利な中盤、終盤を目指して行動することになる。6on6において有利に中盤終盤を迎えるために重要なことは「見えていない敵のポケモンを把握する事」である。6on6はゲーム開始時点では敵の手持ちが全く分からないという極端に情報量が少ないところから始まる。しかし、序盤の立ち回りによって徐々に敵の手持ちを明らかにしていくことで中盤に捨てるべきポケモンの目星をつけたり、見えていないポケモンの予想をすることができる。
 これは実は非常に重要で、こちらの3匹が相手にばれているのに相手の3匹が全くわからない、という状態で3対3の終盤戦を迎えてしまった場合、ぱっと見には3対3でも勝負は決したようなものである。なぜなら相手はこちらの3匹に対して有利なポケモンを選択して残してきているのに対し、こちらはどのポケモンが相手に対して有効かわからずに適当に3匹を選択してしまっているためである。 よって序盤は相手の情報を先に引き出すのが勝利への近道なのだが、相手の繰り出してくるポケモンは相手が選んでいるので、情報戦を有利に進めるためにはできるだけ早く敵の頭数を減らすのが良いという事に帰着する。もちろん、ほえるを多用するような昆布パで無理やり敵の手持ちを暴いていくというのもありえるが、通常の潰しパでは相手のポケモンを倒すことで情報を引き出していく。
 すると結局は序盤にできるだけ早く敵のポケモンを倒すにはどうすれば良いか、という非常に当たり前な事を考えることになる。それには今までの記事で述べてきたように潰しポケモンを運用することになる。すなわち起点を利用して場に出し、決定力増加アイテムを持たせて殴る。流し際は殴るのが基本だが交換読み役割破壊やとんぼ返り、身代わりなどによってアドバンテージを狙っていく。
 そして、できるだけ先に敵を潰すためには有利対峙で一方的に殴れる機会を多く得た方が良いので、突き詰めれば先発の偶発対峙の時点からできるだけ有利に立ち回れるようにパを組むことが必要になる。また、ハッサムの交換読みとんぼ返りは一撃で十分なダメージを与えつつも交換後の対峙でも有利に立ち回れるので潰し速度を大きく加速させる。

 見せ合いなしの6on6は運ゲーだ、という意見を耳にすることがある。しかし環境によって使用可能ポケモンが規定されている限り、パに入りうるポケモンというものは限られてくる。するとその中でメタゲームを想定してパを組み、さらに実際の対戦では序盤から中盤の立ち回りによって少しずつ相手の手持ち情報を引き出して終盤に残すポケモンを選択していけば、終盤の打ち合いは必ずしも運ゲーになるとは思えない。

2009年9月27日日曜日

21、先発

 今回は先発ポケモンについて考えてみる。実はリンクにあるコムさんのブログでとても詳細な先発考察を行っているので、その内容とできるだけ被らないように気をつけたい。

 6on6の先発において重要なことはいくつかあるだろうが

・ステルスロックを撒く
・天候変化を起こす
・バトンを決める

 などのテーマを持ったパーティーでは先発にこれらの技とタスキを持たせてなんとしても仕事をさせようというのが最初に考えがちな先発候補ではないかと思う。タスキステロプテラなどは環境の最初期に見られた有名な例である。

 ただ、私はこれらの先発に無理矢理仕事をさせようとする方向性は6on6においては実りが少ないと考えている。確かにステロの1対戦における総ダメージを最大化するためには1ターン目に打つのが一番効率が良いし、天候変化やバトンタッチをテーマにしたパなら早くコンボを決めたくなるのは自然な考えである。しかし、そのために相性の悪い相手に「タスキで耐えてステロ、雨乞い」という行動をとる事は、いきなり貴重な手持ちを1匹瀕死に追いやることとなり、その後の追い上げで1匹分のディスアドバンテージを取り返さなくてはならなくなる。6on6では2タテも3タテもするのは非常に難しく、1匹分の投資を回収することができなくなりがちである。

 よく言われる事で改めて書くまでもないかもしれないが、ステロや雨乞いなどは有利な相手に対峙した時に流し際に打つくらいでないと、本末転倒な結果を招く。それでは先発にふさわしいポケモンは誰かというと、以下のような条件が挙げられるのではないか

・できるだけ多くのポケモンに対してタイマン性能で勝る
・先発でなくても引っ込んだ後の中盤、終盤にも役割を持てる
・1ターン目に予想外の一撃で死んだりしない

 できるだけ多くのポケモンに対してタイマン性能で勝るというのは簡単な話で、相手の先発は誰が出てくるのかわからないのだから誰が出てきても有利に立ち回れるように、という要求である。また、先発での活躍に特化したばかりに中盤以降に使い道がなくなってしまってはいけない。最速スカーフワタッコで1ターン目に眠り粉を使えば第1ターンだけは確実に有利に立てそうだが、そのワタッコが中盤以降に全く役割を持てないようでは問題であろう。また、先発では双方共にアドバンテージを取ろうと虚を突きあうことになるが、その時まさかのめざパで一撃死した、などは避けるべき事態である。

 タイマン性能という観点からすれば、やはりスカーフ持ちが先発としては非常に安定する。130族を使っていてもスカーフ持ちには簡単に抜かれてしまうので、むしろ先発サンダースなどは敵のスカーフの格好の的となりえる。ただし先発スカーフはスカーフの持ち主がバレやすいという欠点もある。

 臆病最速スカーフスターミーは上記の条件をほぼ全て満たしており、先発に迷ったらとりあえず突っ込んでおいて問題はないと思われる有力な先発候補ではある。しかし、有名になりすぎたのが仇となり、1ターン目に冷凍ビームやキネシスを読んでハッサムグロスに受けられ、交換際に追い討ちでぶっ殺されるという悲惨な目に遭われた方も多いのではないだろうか。ハチマキ追い討ちハッサムはスカーフスターミーのキラーであり、出てくるタイミングを読んでドロポンを打ち込めないと一気に形成を損なう。

 さらに付け加えるなら先発が対峙したときに不利なポケモン、あるいは呼びやすいポケモンに対して交換出ししていく2番手をパに仕込んでおくことも先発の選択と並んで重要なことである。例えば先発スカーフマンダに対して敵がマンムーだった場合はどうやっても引っ込むしかないが、このような状況は対戦前から容易に想像できるので当然マンムーに対して安定なドータクンなどを仕込んでおくのが良いだろう。
 ところで「できるだけ多くのポケモンに対してタイマン性能で勝る」ということは、何百匹も存在するポケモン全種類に有利であることを要求しているのではなく、その環境に数として最も多く存在するポケモンに対して有利であることを求めている点に注意が必要である。これは当然ながらメタゲームに依存する要素であり、数が多いといっても先発で出てこないで控えにいることが多いポケモンもいるため、より正確に言うならば【先発率の高いポケモン】をメタる必要がある。

 極端な話、その環境において先発の9割がスターミーならばスターミーに強いポケモンを選択すれば良いだけで、先発に限ってはボーマンダやゴウカザルはほとんど無視しても良い事になる。

 私は対戦の履歴を記録してメタゲームの指標としているが、先発起用率が高いポケモンは【ゴウカザル、ハッサム、ギャラドス、マンムー、ボーマンダ】などが挙げられる。6on6は先発や死に出し、後半の打ち合いと偶発対峙のタイミングが非常に多いレギュレーションであるが、偶発対峙したときにどれだけ多くの頻度で相性有利に持ち込めるかというのが勝率に大きく関わってくる。

 最後に、先発タスキは私は好まないが、タスキがむしゃらマンムーやゴウカザルはしっかり対策を考えておかないと手軽にアドバンテージを取られてしまうので注意が必要である。

【マンムー 陽気】
【素早さ252 攻撃252】
【ステロ がむしゃら 礫 地震】

【ゴウカザル 無邪気or臆病or陽気】
【素早さ252 特攻252】
【ステロ がむしゃら 真空波 選択】

 こいつらは「ステロ→タスキ耐え→がむしゃら→死亡」という流れを狙って初手に出てくるが、理想どおりに働けば一方的にステロを残しつつこちらの被害は1匹、相手はHP1が1匹という状態になる。死に出しで先制技を持つポケモンを出せば相手のHP1は引っ込んでもステロで出れなくなるし突っ込んでも先制技で死ぬという結果になり、結局1対1交換+ステロ撒きという結果になってしまう。簡単な対策としてはがむしゃらのターンにゲンガーに交換してがむしゃらをすかす、がむしゃらのターンにこちらが先制技をかける、などが考えられる。

2009年9月2日水曜日

20、打ち逃げ

 以前の記事「8、潰しポケモンの選択①」では潰しパが受けを突破する上でダメージ蓄積が欠かせないことを述べた。そして、具体的なダメージ蓄積の方法として

【3、いかにダメージ蓄積をさせるか】
・ねこだましによる無償ダメージ
・ステルスロックや砂嵐などの定数ダメージ
・交換読みとんぼ返りによるダメージ
・交換時の打ち逃げダメージ
・毒ややけどの状態異常ダメージ

 を例として挙げた。今回の記事ではこれらの項目の中で最も原始的なダメージ蓄積である「打ち逃げ」について考えてみる。

 元来ポケモンは相性が非常に重要なゲームであるので、実は打ち逃げは言うほどダメージ効率の良い方法ではない。というのも、こちらの攻撃に対して最も相性の良い受けで受けられるとほとんど十分なダメージを与えることができないためだ。ジバコイルの10万ボルトをハピで受けられた時などが良い例で、50%以上のダメージを与えられない以上、流されるターンのタマゴうみで蓄積ダメージは完全に取り除かれ、それどころかダメージ量が20~30%程度では回復ではなく流しターンに電磁波やステルスロックを撒かれて一方的にアドバンテージを失うことにつながる。

 つまり、何の考えもなしに打ち逃げをしていては受けにとって致命的なダメージ蓄積は望めないということである。

 しかし、現環境には誰を出しても受けられないような超破壊力の潰しが何体かおり、このような潰しの打ち逃げはとんぼやステロなどとは比べ物にならないくらいの大ダメージの蓄積を望める。よって、上級者のパにはこのような「受けられない超火力」が仕込まれていて、ナンス・ハッサムなどの無償降臨から問答無用でパを崩しに来ることが多い。一番有名な例はボーマンダで、珠竜星群を打ち逃げするだけで十分な対策をしていないパは簡単に崩れてしまう。よって、テクニックとしてマンダの竜星群を「読んで」ハピナスやミロカロスでいったん受けに行き、特攻が下がったところで物理受けに変えるなどというかなり危険な橋を渡ってマンダを流しにかかったりする。もちろん、読みが外れて竜舞が来たり、ハチマキドラゴンクローが飛んできた、などの可能性もあるためマンダに対する安定な受けは伝説ポケモンを除けばありえない。

 前々回話題に挙げたドサイドンも打ち逃げ能力は最高レベルで、ハチマキエッジや地震を無事に受けることは相当困難である。実は岩タイプの技と言うのは打ち逃げに非常に優れており、ジーランスのハチマキ諸刃などもかなり危険である。

 竜星群もエッジも打ち逃げする上で重要な「無効タイプがない」「半減しにくい」の2点を満たしているのも注目すべき点である。一方、「ドロポン、大文字、インファイト、リーフストーム、10万ボルト、吹雪、キネシス」などの他タイプの主力技を考えてみると半減が容易であったり無効タイプがあったりするのがわかる。また、そもそも威力不足で打ち逃げに適さないタイプも少なくない。「噛み砕く、シャドーボール、とんぼ返り」等が主力技の悪、霊、虫などである。ただし、虫についてはとんぼ返りのメリットが大きいので打ち逃げと単純に比較することはできない。

 打ち逃げをするにあたっては一撃の蓄積ダメージが50%を超えることが望ましく、このような厳しい基準を満たすためには十分な攻撃種族値に加えて「ハチマキ、メガネ、珠」の使用がほぼ必須となってくる。素の攻撃力で十分な決定力を出すことはほとんど不可能であるし、積み技を使うのは居座りが前提で1ターンを投資しているので打ち逃げのコンセプトと矛盾する。

 打ち逃げがダメージ蓄積に有効なのはわかったが、打ち逃げの最も難しいところはそもそも打ち逃げに適するポケモンが比較的少なく、しかも起点を用意してやらないと「打つ」ことができないところである。つまり、マンダもドサイドンもスターミーの前では「打つ」事は不可能であり、こちらが流される立場にあるのでむしろスターミーに打ち逃げを許してしまう。タイマンで勝てる相手に対峙したときに流し際で最強技を叩き込むのが打ち逃げなので、タイマン性能が低ければ低いほど「打つ」タイミングは得にくい。

 よって打ち逃げによるダメージ蓄積を狙う場合は起点の求め方に工夫が必要となり、起点を呼び込めるようなパの組み方をするのが望ましい。ナンス(クラゲやミロシャワをアンコ)+マンダとかスターミー(ハピカビを呼ぶ)+ドサイドンなどの有名な組み合わせを組み込むだけでも打ち逃げは狙っていけるが、他にもうまい組み合わせがあるかもしれない。

 ところで「打ち逃げ」という表現を自然に使っているが、この表現の意味するところは「ある潰しが絶対安定な相手に対峙したときに、誰が交換出しされてきても構わないように威力の高い技をぶっ放す。交換先に蓄積ダメージを与えたらすぐに引っ込む」というところであろうか。めざ氷のないゴウカザルに対してボーマンダが珠竜星群、ハピナスに対してドサイドンがハチマキエッジなどの状況は、相手からこちらへの決定打がなく安定であり、かつ交換先にダメージを与えた後は引っ込むのが前提となっているように思えるからだ。もちろん、突破可能なら「逃げ」る必要はないのだが、多くの場合能力の下がった特殊マンダは下がった方が良いし、ドサイドンは交換先よりも確実に遅いだろうからダメージを与えたらさっさと引っ込むのが安全だろう。誰が言い出したのかは知らないが、なかなか的を得た表現だと思う。

2009年8月29日土曜日

19、起点②

 前々からまとめてみようと思っていたのだが、6on6における主要な起点を書き出してみようと思う。

【スターミー】 ← ハピナス カビゴン

【サンダース】 ← ハピナス カビゴン ラグラージ マンムー

【ハピナス】【カビゴン】 ← ドサイドン ラグラージ 

【ラグラージ】 ← ルンパッパ ユキノオー

【マンムー】 ← ドータクン 

【ルンパッパ】 ← ドククラゲ フシギバナ

【ユキノオー】 ← ハッサム ゴウカザル メタグロス その他大勢

【ドククラゲ】 ← ラグラージ ギャラドス

【ハッサム】 ← ギャラドス ボーマンダ ゴウカザル グライオン

【メタグロス】 ← ラグラージ シャワーズ

【ゴウカザル】 ← ギャラドス ボーマンダ ドククラゲ シャワーズ

【シャワーズ】【ミロカロス】 ← サンダース ルンパッパ ユキノオー

【ギャラドス】 ← シャワーズ ミロカロス

【ボーマンダ】 ← 無理

【カイリキー】 ← ヤドラン ヤドキング

【ヤドラン】【ヤドキング】 ← ハッサム 

【ヘラクロス】 ← ボーマンダ

【グライオン】 ← ゲンガー

【ゲンガー】 ← ハッサム 

 ボーマンダは生物の頂点に君臨する存在のようなので、やはり呼ばない事が一番重要。ちなみに、ソーナンスは書かなかったがほとんど誰にでも出て行ける。

2009年8月28日金曜日

18、対戦環境

 ポケモンハートゴールドとソウルシルバーの発売日が近づいてきましたね。ここしばらくは本業の研究が忙しかったりドラクエに浮気したりしていましたが、金銀リメイクを機会に再びポケモンしようと思います。

 ところで、今回の内容は対戦考察というよりもただの読み物なのであしからず。

 最近ポケモンに関する議論をネット上で見ていて感じたのだが、「6on6」と「6to3」を同じゲームだと勘違いしている人が多いように思われる。今回はその違いを考えてみることにする。

 一口にポケモン対戦と言っても対戦にはルールがつきものであり、ポケモンの強弱やパーティーの強弱はこのルールによっていくらでも変わりうる。まったくの素人相手に説明するのであれば、どのルールを使用したにせよそれは「ポケモン対戦」の一言でひとくくりにしてしまうこともできるだろうが、一匹一匹のポケモンの性能について論じるような玄人の議論の場では、その議論がそもそもどのルールに則ったものなのかをはっきりさせる必要があるだろう。

 6on6と6to3はどちらもポケモンシングルバトルの花形とも言えるレギュレーションであるが、内容はだいぶ違ったものになる。

 例えば、6to3では見せ合いの時点で敵の手持ち6匹が全てわかるのに対し、6on6では対戦が進むにつれて敵の手持ちが1匹づつ分かっていく。これは6on6ではエースを隠して6対5でゲームを進めていき終盤に全抜きを狙うような作戦が成り立つことを意味する。一方6to3ではあらかじめ危険因子を知ることができるので、こちらの選択次第で危険を回避することができる。つまり、ゲームが開始した時点で6on6と6to3では情報量にかなりの差があり、これだけでも別のゲームと捉えることもできる。

 また、受けの難しさという点で考えてみると6to3はほぼ受けきることは不可能であり、いかにやられる前にやるかが重要になってくる。つまり、6on6ではモンスターの数が多いので「~が来たら~を出す」というようなループが形成されやすい(もちろん現在の環境ではあっという間にループが崩されるのだが)のに対し、6to3では最初からポケモンが3匹しかいないため、敵の潰しに対して誰を出しても殺されるので交換ができない、という場合が非常に多い。現在のポケモン対戦は基本的に殴ることが正義なのだが、6to3はよりその傾向が強く、いかに全抜きをするかという点が重要になってくる。

 ステルスロック、毒びしの効果も6to3ではだいぶ軽減される。これも当然のことで、6on6は比較的長期戦になりやすいのに対し6to3は短期決戦であるのでステロを撒く1ターンがもったいないというのが普通の感覚だろう。もちろん、3匹のパーティーでも砂昆布のように持久戦指向のパーティーは組めるし、それが弱いとも思わないが、相手はこちらの手持ちを把握しているのだから砂昆布っぽいメンバー(カバルドンとかグライオンとか)を見せ合いの時に見せた時点で警戒はされてしまう。

 気合のタスキもこれらのレギュレーションがはっきり違うという事を証明する良い例であろう。6to3では基本的に殴り合いが対戦の全てを占め、たとえ相性が悪いポケモンでも交換ができないので突っ込むしかない場面が多々ある。よってタスキの採用率はかなり高くなり、相性の悪い相手にタスキで耐えて返しの一撃で仕留めるなどの戦略が成立する。これに対し6on6ではステロ等の定数ダメージが多いことからタスキが発動できるのはほぼ先発だけに限られ、その先発ですら決定力増強のためにタスキを持たせないことが多い。

 6to3は殴り合いになりやすいという点から、素早さがポケモンの優劣を決める大きな基準となる。6on6では素早さで負けているなら無理をせず交換という選択肢が生まれうるが、基本的に6to3では退く事は考えない、というかできないことが多い。つまり遅いポケモンはそれだけで6to3では使いにくくなってしまうと言える。

 ドサイドンの強さについて「6to3」の考察wikiでずいぶん議論が荒れていたようだったが、それはこの素早さに対する認識の違いがあったのではないかと思われる。6on6においてスターミーやサンダースなどの特殊エースを使う場合、ハピナスとカビゴン通称ハピカビは避けて通れない鬼門である。よって、特殊エースを採用する際はハピカビを起点にして何回でも交換出ししていけるポケモンをパに仕込む必要があるのだが、この役割を果たせるのはドサイドンとラグラージあたりが適任である。こいつらはハピカビからの決定打をもらいにくく、それでいてハチマキを持たせて馬鹿力でも地震でもぶちかましておけば、ハピカビの交換先に相当な圧力をかけられることで有名である。つまり、「6on6」において特殊エースとハチマキドサイドンの組み合わせは相性がよく、敵のループを崩す上で非常に強力である、というのが事実としてあり、この理論に基づいてドサイドンは強いというようなことを「6to3」のwikiで主張しているのではないかと思われる。

 一方、6to3のレギュレーションにおいてドサイドンがどれほど強力かというと実はそこまで強くない。もちろん弱くはないのだが、せいぜい1対1交換ができる程度の能力であり、3タテをするような才能は全くない。仮にロックカットが成功したとしても。それどころかタスキを持たせていなければ一回も行動することなく殺されてしまうことが多いのではないだろうか。

 つまり、ドサイドンの強さは攻撃種族値140の高い決定力とその決定力を打ち逃げできる有名な起点(ハピカビ)の存在によって成り立っているのに、6to3ではその起点が基本的に存在しない、つまり敵が受けに来ないで殴り合いに来るため、結局ドサイドンの出場機会は死に出しになることが多く、その時に素早さが低くてタイマン性能が低いドサイドンは6on6ほどの活躍はできず、せいぜい一発耐えて1匹殺す程度の決定力しか発揮できない、ということである。

 また、ギャラドスなども6on6では止まりやすく、6to3では一瞬で全抜きを可能にするという点で気をつけたいポケモンである。ケアしていればこれほど止まりやすいエースもいないのだが、電気持ちがいないときのギャラドスは本当に絶望的になる。

 ドサイドン、ギャラドスに限らず6on6と6to3で強さががらりと変わるポケモンは何匹かいるので、乱暴に「~は強い」とか「~は弱い」とか決め付けるようなことはせず、「6on6のルールでは~が強い」という前提を持って議論して欲しいものです。

2009年7月3日金曜日

17、先制技

 先制技の存在は潰しパの構築に大きく影響を与えている。なぜならば潰しポケモンというのは基本的に素早さと攻撃・特攻に努力値を割き、「先に攻撃して敵を倒す」事を前提としているのに、先制技はこの前提を覆してしまう存在だからだ。

 先制技が重要になってくるのは主にお互いのパが潰しパの時である。全員のHPが削れてきた終盤に、先制技で全抜きを狙いに行くという戦略が潰しパ同士では非常に有力になる。一方、潰しパ対受けパのような対戦では威力の小さい先制技が大きな影響力を持つことは比較的少ないので、先制技の考察を行うことはつまり、潰しパ対決を想定したものとなる。

 先制技の利点は潰しあいに強いことに加え、第二のスカーフストッパー的な役割を持たせられることである。竜舞やすいすいなどで暴走している敵を死に出しで無理矢理止めることが出来るのは、受けのいない潰しパにとって重要な機能である。以下に先制技の使い手を紹介する。

【神速】
ルカリオ、ウインディ、トゲキッス

【バレットパンチ】
ハッサム、メタグロス、ルカリオ、カイリキー、チャーレム、サワムラー、ドクロッグ、ハリテヤマ

【アクアジェット】
マリルリ、カブトプス、エンペルト、サメハダー、フローゼル、オーダイル

【マッハパンチ】
ゴウカザル、キノガッサ、サワムラー、ブーバーン

【真空波】
ゴウカザル、バシャーモ、ルカリオ、ドクロッグ、ニョロボン、カイリキー

【氷の礫】
マンムー、マニューラ、ラプラス、ドンファン

【影うち】
ヨノワール、エルレイド、ミカルゲ、ベトベトン

【ねこだまし】
エテボース、サワムラー、ハリテヤマ、マニューラ、ドクロッグ、ピカチュウ

【電光石火】
ハッサム、ブースター、アブソル、カイロス、エレキブル、ムクホーク、レントラー、リーフィア

【不意討ち】
アブソル、ドンカラス、サワムラー、ノクタス、ゴローニャ、ドクロッグ、ウツボット、ハンテール、ダーテング、ヨノワール、ダグトリオ

 よく3on3で言われるような「タスキつぶし」としての役割を先制技に求める場合、ここに挙げた全ての技がその役割を十分に果たすことができるが、6on6の対戦ではタスキなどほとんど見ないので、先制技には出来るだけ大きな威力を持たせる事が求められる。イメージ的には死にかけのゴウカザルのHPを30%ほど削れるくらいの威力が欲しい。すると、実際に候補となるのはもともとの威力が高い【しんそく】【ふいうち】と【テクニシャン】持ち、または【タイプ一致】の先制技である。上記のリストにはその条件に含まれないポケモンの名前も挙がっているが、攻撃種族値が高いなどの理由で名前を載せたものもおり、少なくともここに名前の載っているポケモンを使用するときにはまず先制技を持たせるかどうかを吟味することをお勧めする。

 現環境で最もよく見るのはやはりハッサムのバレットパンチである。これはテクニシャン補正を含めて威力90の先制技で、剣舞やハチマキと併用することで後半の全抜きを狙いうる性能を持っているためである。ハッサムは基本的にバレパンととんぼ返りの2つの技だけしか使わなくても非常に優秀なポケモンとなる。こいつの存在で鋼弱点のポケモンは相当活躍の機会を奪われており、それどころか鋼等倍でも厳しい事が往々にしてある。

 次点はマンムーのこおりのつぶて、ルカリオの神速が続くだろう。前者はドラゴンストッパーとして最も優秀なため、ガブマンダをメタるのであれば非常に有力である。また、サンダースに後出ししていって身代わりを張られてもバトンする前に身代わりを割れるので、電気流しの性能も兼ね備えている。つぶて読みで出てくるゴウカザルやハッサムの存在が辛いところ。後者は剣舞をなんとか積んで、終盤の全抜きを狙うことで有名である。剣舞命の珠神速の威力は相当なもので、普通の潰しポケモンはほとんど一撃で持っていかれてしまう。かといってインファイトを半減できない物理受けでは剣舞インファイトを耐えることが難しいので、手持ちにギャラドスやボーマンダなどが残っていないとゲームが終了する事もある。

2009年6月1日月曜日

16、潰しポケモンのアイテム選択

 今回は潰しパにふさわしいアイテムは何があるか、考えてみることにする。基本的に潰しパはやられる前にやる事を優先するので、アイテムの選択肢は決定力を底上げするものに偏る。

【こだわりハチマキ、こだわりメガネ】
決定力を1.5倍するが一度選んだ技を打ち続けるというデメリットを併せ持つ。現環境で最もダメージを底上げするアイテムがこの2つであり、是非使用することをお薦めする。こだわりのデメリットを打ち消すためにはメガネの場合はトリックと併用するとか、ハチマキならハッサムに持たせてとんぼ返りを打たせるなどで軽減することができる。

【命の珠】
決定力を1.3倍するが攻撃するたびに最大HPの1/10ダメージを受けるというもの。現環境で2番目にダメージを底上げできるアイテムであり、これも使用を薦めるが、中途半端に受けを入れるような流しパの場合はこのダメージが逆に重荷になることもあるので注意が必要である。こだわりポケモンがタイプ一致技でガリガリ押していくのに対して、珠は敵の弱点に合わせて技を選択する器用なポケモンに持たせる事が多い。ゴウカザルやボーマンダなどがよく持っている。

【プレート等】
決められたタイプの技の決定力を1.2倍し、デメリットのないアイテム。決定力を上げたいが、上記のアイテムが埋まっている時や、タイプ一致二刀流のポケモンに持たせる。特に持ち物がない時などに持たせても良い。雨乞いキングドラにしずくプレートを持たせてドロポン滝登りなど。

【達人の帯】
効果抜群の技を打ったときの決定力を1.2倍し、デメリットのないアイテム。相当抜群を狙える技バリエーションを持たないと使いこなせないが、たまにこれが一番ぴったりなポケモンもいたりする。

【ちからのハチマキ、ものしりメガネ】
決定力を1.1倍するアイテム。効果が微々たる物なのであまり使われない。仮想敵の確一調整などで場合によってはお世話になることもあるかも。

【こだわりスカーフ】
素早さを1.5倍するが一度選んだ技を打ち続けるというデメリットを併せ持つ。6on6では必須アイテムだと個人的には思う。大きく分けて二つの使い方があり

1、素早さが70~100族くらいで決定力はあるのに素早さが遅いために決定力を発揮できないポケモンに持たせて130族を抜いていく
2、素早さが100~120族くらいで元々早いポケモンに持たせて確実に先手を取り、場合によっては竜舞やすいすい、葉緑素などで手がつけられなくなったポケモンを止めるために持たせる(通称スカーフストッパー)

 スカーフによる素早さの抜きあいは対戦で非常に重要な意味を持ち、本来なら負けるはずの戦いもスカーフによって強弱関係が逆転する。例えばゴウカザルなどはスカーフポケモンに素早さを抜かれやすい108族であり、耐久も紙なのでうっかり一撃で死んでしまった、などということが良くある。対戦では自分のポケモンの誰にスカーフを持たせるか、また敵の誰がスカーフを持っているかを予測するのが重要になってくる。1の例としてはヘラクロス、ロズレイドなど、2の例としてはスターミーなどが有名だろうか。1の使い方は竜舞ギャラドスやボーマンダの全抜きを許してしまったり、2の使い方は潰し合いには強いが、決定力が若干不足するので受けに回られると止まってしまったりするのが難点である。

【カムラの実】
HPが1/4以下になると素早さが1段階上がる(通常なら1.5倍になる)効果を持つ。スカーフ同様、うまく発動させれば種族値70~100族くらいの潰しをエースにすることが出来る。たいていは身代わりを組み合わせることでHPを調整する必要がある。通称みがカム。スカーフと違っていったん発動すれば技の選択が出来る点が良いが、HPを減らすために先制技に弱く、いったん引っ込めると効果が消えてしまう。マッスグマやリザードンを以前紹介したが、Lv50戦なら70族以上の全てのポケモンにエースの可能性がある。

【チイラの実、ヤタピの実】
HPが1/4以下になると攻撃、特攻が1段階上がる効果を持つ。素早さがある程度あるポケモンでないと使いこなすのは難しい。御三家の特性と相性が良いので、御三家が良く使う。具体的には高速移動みがヤタエンペルト、みがヤタゴウカザルなど。ジュカインなどもどちらを使うかわからないが、素早さ種族値が120なので候補となる。

 以上が直接的に決定力を上げるという意味で潰しパに使われやすいアイテムである。他にも決定力に関係なく使われるアイテムもある。

【ラムの実】
状態異常を回復する効果を持つ。やけど、眠り、麻痺など、アタッカーは絶対喰らいたくない状態異常技に対して1回だけ保険をかけることが出来る。その1回の無償降臨が勝敗を分けるようなこともある。

【半減の実】
弱点の技を受けた時のダメージを半分にする。これを使って油断した敵を返り討ちにすることが出来るのでうまく使えば強力。リンドを持ったラグラージで草結びを一発耐えてゴウカザルやエンペルトを仕留める、ウタンを持ったカイリキーでサイコキネシスを耐えてしっぺ返しでスターミーやフーディンを狩るなど。

【イバンの実】
HPが1/4以下になると次のターンに先制攻撃ができるという効果を持つ。鈍足ポケモンに持たせて、死に際に大爆発をするような使い方を良く見る。ただし、鈍足ということは身代わりによるHP調整が難しいという事なので、結局使いどころがなく死んでしまったりする。

【パワフルハーブ】
溜め技(ソーラービーム、ゴッドバード等)を一回だけ溜めなしでぶっ放すことが出来るというアイテム。意外性があるが汎用性がないのが問題。炎ポケモンのソーラービームはかなり読まれやすい。

 通常、潰しポケモンに持たせるアイテムは以上で事足りるはず。ちなみに最近の私の6匹の持ち物は「スカーフ、ハチマキ、命の珠、プレート×2、ヤタピ」という完全に潰し特化である。

2009年5月28日木曜日

15、ソーナンスの脅威

今回は非常に特殊なポケモン「ソーナンス」について扱ってみる。

 このポケモン、地味に見えるが実は非常に強力な特性「かげふみ」の持ち主であり、こいつの存在一つでポケモンの対戦環境がガラッと変わってしまうほどの影響力がある。

 まず最初に注意しておきたいのだが、ソーナンスの使用は対戦する場所によっては禁止されている事もあるので、自分が参加する大会やら掲示板のルールをよく読むようにしていただきたい。

 逆に言うと、ソーナンスの使用が許可されている対戦環境において、ソーナンスを無視したパーティー構築をすると痛い目に合う可能性が高いということでもある。たまにソーナンスを無視した構築をしておきながら、ソーナンスにパーティーを崩されて負けた人が「ナンスを使うのはマナー違反だ」と言って相手を非難しているのを見かけるが、そういう人はナンス禁止の掲示板で対戦すれば良いだけの話で、自分のパーティーに弱点があることを認めないのはそれこそ見ていて感じの良いものではない。

 ソーナンスの強さ、それは交換を禁じる特性「かげふみ」と、それを利用したアンコールからの敵の確殺もしくは無償降臨から来る。

 具体的には敵の受けポケモンに対してナンスを交換出ししていくと、その時点で相手の受けは交換ができなくなる。次ターンのアンコールで技を縛ることによってカウンターミラコによる受けの破壊、もしくは補助技アンコからのエースの無償降臨が保証される。単純だが、たったこれだけの仕事が多くのパーティーにとって非常に厄介なものとなるのだ。

 例えば、ドククラゲなどはソーナンスのカモにされやすい受けポケの代表格である。使ってみればわかるがHPと防御or特防に振って黒いヘドロを持たせたドククラゲというのは非常に堅く、ゴウカザルなども安定して受けることができるためとても使い勝手が良い。高速スピンや毒びしも覚えるので受けポケモンとしてはかなり優秀で、今もなお多くの人に使われている。しかし、その一方で攻撃系種族値が低いため、ひとたびナンスに出てこられると完全にカモにされてしまうという弱点がある。

 もちろん、ドククラゲがソーナンスに圧倒的に弱いかというとそういうわけでもない。クラゲに綺麗な抜け殻というソーナンスメタのアイテムを持たせてやれば、無条件で毒びしをまいた上にソーナンスに有利なポケモンを交換出ししていくことで逆にナンスを起点にすることもできる。

 このブログでは潰しポケモンを主体としたパーティー構築を推奨しているが、受けポケモンを主体としたパーティーというのはどうしてもソーナンスが弱点になりがちである。これはつまり、潰しパのパーティー構成員としてソーナンスを選択することは、相手の受けを無効化するという点で非常に有力であるということの裏返しでもある。

 潰しの選択肢として、今までの記事で二刀流、起点、とんぼ返りなどの視点などからポケモンを挙げてきたが、どの潰しポケモンを選択したにせよ基本的には潰しポケモンにはそれに対応するベストな受けポケモンというのが存在していて、「絶対に止まらない潰し」というのは実際にはボーマンダくらいしか存在しない。そして、以前の記事に書いたように潰しポケモンが受けで止まる状況というのは潰しパにとっては何よりも避けなくてはならない状況であるので、そういった「止まる受けポケ」を確実に起点にできるソーナンスは潰しパにとって非常に都合の良いポケモンなのである。

 例えば私は水受けにシャワーズを使っていた事があるが、持ち物は基本的に抜け殻を持たせていた。これは私のパーティーが水受けを完全にシャワーズに頼り切った構成をしていたため、万が一シャワーズがナンスに刈られるとエンペグドラが受けられなくなり、一瞬で負けが確定してしまうという理由からだった。

 よく対戦で見かけるハピナス、ミロカロス、シャワーズ、ドククラゲなどに食べ残しや黒いヘドロを持たせている人はナンスを仮想敵としていないのだろうが、私はいわゆる「ソーダグ」に対する抵抗のないパは現在の環境では望ましくないと考えている。こういった水受けに食べ残しを持たせる事は、確定数をずらすなどのメリットがあるが、一方でナンスに刈られるデメリットもあるという事を意識しなくてはならない。特にハピナスやミロカロスなどの耐久は食べ残しを持たなくても仮想敵を受けきるのに十分なものであるので、何も考えずに食べ残しを持たせるのは考え物である。

 ソーナンスに対する対策としては、最も狩られたくないポケモンに抜け殻を持たせるのが最も手っ取り早い方法である。ハピに抜け殻を持たせるだけで純粋なソーダグパはほとんど機能しなくなる。抜け殻の代わりにバトンタッチやとんぼ返りを取り入れても良い。また、パーティーに明確な受けのいない構成を作り、誰でもナンスに大ダメージを狙えるようにすることでナンスをせいぜい1回しか場に出せないようにすることも立派な対策である。ナンスの耐久力は異常なので、基本は1対1交換で処理することになるだろう。

2009年5月20日水曜日

14、潰しポケモンの選択③

潰しポケモンの選択肢は多岐にわたる。今回は有名どころの潰しポケモンを列挙する。

【ギャラドス 陽気】
【素早さ252 攻撃252】
【滝登り ストーンエッジor地震orおんがえし 竜舞 挑発or身代わり】
有名な竜舞ギャラドス。良い点はタイプが優秀で素の種族値が高いために威嚇を絡めて場に出す機会、つまり起点が多い点。弱点は対策がされやすい事とステロ2倍な点。持ち物はソクノ、食べ残し、強化アイテムなど。

【エンペルト 控えめ】
【特攻252 素早さ調整 残りHP】
【ハイドロポンプ 草結び 高速移動 身代わり】
これも有名な高速みがヤタ激流エンペルト。ギャラドス同様タイプが優秀で種族値も高いため起点は多い。ギャラドスよりは対策ポケが少ない。水を等倍で通すポケモンで一撃死しないのはハピナスくらいなので、パに水受けがいないと一瞬で全抜きされる。ドクロッグで止まったりする。

【キングドラ うっかりやor無邪気or控えめor臆病】
【特攻252 素早さ252】
【ハイドロポンプ 流星群 たきのぼり 雨乞い】
有名なすいすいアタッカー。素早さは調整してHPに回したり、技の候補はドロポンと流星群以外は色々あったりする。自分で雨乞いしないでハッサムなどから繋げることもできる。半減しにくい流星群が厳しいが、雨がやめば止まるので使い捨てになりやすい。持ち物はプレートや命の珠など。

【ゴウカザル 無邪気orせっかち】
【素早さ252 攻撃or特攻252】
【大文字 インファイト 雷パンチ 草結び めざ氷 とんぼ返り 身代わり 真空波orマッパ アンコールetc.】
二刀流の雄。何の技を持っているか予想がつかないので意外な奴が一撃死したりする。持ち物は命の珠、ヤタピ、カムラ、スカーフ など。
【例】
雷パンチ→ギャラドス、ドククラゲ
草結び→ラグラージ、ヤドラン、ミロカロス
めざ氷→ボーマンダ、ガブリアス

【ボーマンダ 無邪気orせっかち】
【素早さ252 攻撃or特攻252】
【流星群 ダイブ 逆鱗 竜舞 大文字 じしん ドロポン 羽休めetc.】
受けにくさはダントツのNo.1。威嚇持ちでタイプも優秀なので場に出やすいが、基本的にこいつが無償降臨するような場面は作ってはいけない。覚えておくと良いことは、こいつは電気技は雷のキバしか覚えないという点。10万ボルトを覚えるカイリューとの大きな違いである。持ち物はプレート、命の珠、ヤチェなど。

 イメージ的にはこの辺までがAランク。

【スターミー 臆病】
【素早さ252 特攻252】
【ハイドロポンプ 10万ボルトor雷 冷凍ビーム 草結び サイコキネシス 雨乞い】初代からの特殊アタッカー。ハピが来ると本当にどうしようもない。悪ポケに鉢合わせるとふいうちorおいうちで50%の確率で無条件死したりするが、この素早さから数多くのタイプの技を繰り出せるのはやはり強い。自然回復が優秀で、毒を撒いてくるミロカロスやシャワーズなどを起点に出していける。ただしこいつらはめざ電持っている事も多い。臆病スカーフ最速型はストッパーとして非常に優秀で、舞ったギャラドスやドラゴンを潰せたりする。持ち物はスカーフ、命の珠など。

【ゲンガー 臆病or無邪気】
【素早さ252 特攻252】
【シャドーボール きあいだま 10万ボルト ヘドロ爆弾 催眠術 身代わり 大爆発 めざ炎 凍える風 道連れ】
こちらも由緒正しき特殊アタッカー。大爆発を持たせればハピで止まらないのが☆との大きな違い。その場合は命の珠を持たせて攻撃にも振ったりする。悪で無条件死するのは☆に同じだが、道連れなんて技も覚える。スカーフトリックという使い方もあり、色々トリッキー。持ち物は眼鏡、スカーフ、ヘドロ、命の珠など。

【ガブリアス 陽気】
【素早さ252 攻撃252】
【じしん 逆鱗 剣の舞 大文字 身代わり 流星群】
素早さ102族が絶妙な物理アタッカー。有名なのは砂パの身代わり連打型で恐ろしく強いが、無天候の時は特性無しポケモンに格下げされるので意外と何とかなる。種族値が高いのでどんどん殴っていかないとなかなか死んでくれない。波乗りを覚えるのでカバルドン相手に特攻調整していることもある。持ち物はヤチェ、光の粉など。

 この辺もAと大差ないけど若干落ちる気がする。

【ヘラクロス 陽気】
【素早さ252 攻撃252】
【インファイト メガホーン エッジ 地震 辻斬り 身代わり 剣の舞】
ヤドランで受けられない物理アタッカー。根性用に毒球、火炎球を持たせたりするが、それだと意外と決定力が出ない。決定力的に厳しいのはハチマキを巻いたこいつが毒びしを踏んだときとか、みがカムで素早さ130族を抜いて虫の知らせが発動してしまったときなど。持ち物は毒球、ハチマキ、スカーフ、カムラ、命の珠など。

【カイリキー いじっぱりor陽気】
【攻撃252 HP252or素早さ252】
【爆裂パンチorインファイト エッジ じしん しっぺがえし バレパンorアンコール 身代わり 大文字】
ヤドラン、ヤドキング以外だと必ず混乱してしまうので、うまく無償降臨されると厳しい。身代わりとアンコを使いこなす器用な型もある。素早さが55族なのが致命的な弱点で、陽気最速にしてあることもあるが、グライオン(95族)に20振るだけで抜けなくなってしまうのは有名。

【メタグロス 意地っ張り】
【攻撃252 素早さ調整 残りHP】
【コメットパンチ バレパン 大爆発 三色パンチ アームハンマー サイコキネシス 草結び 追い討ち】
いわゆる600族だが、ドラゴンに比べると技のレパートリーや威力、攻撃範囲などで劣る。タイプ一致のコメットパンチが水に半減されるのが特に問題で、積み技がないためガブリアスのように無理やり突破もできない。基本的な種族値、タイプが優秀で倒すまでに苦労するが、全抜き性能は皆無なのでいつかは爆発する運命。 6on6ではミロカロスやシャワーズを誘って大爆発で間接破壊してしまうのが使いやすいかもしれない。

 メジャーどころはこれくらいにしておいて、少し面白い奴らを紹介すると

【リザードン 陽気orいじっぱり】
【素早さ252 攻撃252】
【身代わり 腹太鼓 炎のパンチ ドラゴンクローor地震orおんがえし】
みがカムで猛火発動と素早さ130抜きを達成して全抜きを狙う型。先制技があれば容易に止まるが、決定力は上記の比ではない。ステロ4倍なので相当なサポートが必要。

【マッスグマ 陽気orいじっぱり】
【素早さ252 攻撃252】
【身代わり 腹太鼓 じたばた タネ爆弾orシャドークロー】
リザードンと同様のみがカム腹太鼓アタッカー。やはり先制技に弱い。

【ナッシー 控えめor臆病】
【素早さ252 特攻252】
【ソーラービーム サイコキネシス めざ炎 日本晴れ 眠り粉 大爆発】
キングドラと対照的な晴れアタッカー。雨を意識するあまり晴れに対するメタを怠って水ポケモンでパが固まっているとソーラービームを連発するこいつで壊滅したりする。ふいうちなど先制技に弱い。持ち物は命の珠など。

【ヤドキング 冷静or控えめ】
【特攻252 HP252】
【サイコキネシス 火炎放射or大文字 悪巧み トリックルーム】
自己完結型のトリックルームアタッカー。カイリキーやゴウカザルなど、ヤドキングはHP振りだけでも出していける起点があり、流し際にトリックルームを打ってそのままエースになる。もともと防御系種族値が高く、トリックルームで素早さの逆転した状態でこいつに決定打を与えるのは非常に困難。流し際にハッサムを呼びやすいこいつが、トリックルーム下では逆にハッサムをカモにする。

【ビーダル 意地っ張りorしんちょう】
【攻撃252 HPor特防252】
【のろい たきのぼり おんがえし 眠る 度忘れ】
特性たんじゅんを生かして積み切って敵を倒す型。単体ではほとんどギャグで一瞬で落とされるが、フワライドの影分身バトンなどと組み合わせると途端に凶悪なコンボとなる。影分身×3をバトンするとこいつの回避率は+6なので攻撃がほとんど当たらない。その間にのろい×3を積み切れば攻撃+6、防御+6、素早さ-6、回避率+6の兵器と化す。結局運ゲだが、ここまで来ると物理攻撃は意味をなくし、特殊攻撃さえ当たらなければ全抜きまでありえる。積み途中で入った毒などは眠るでケアできる。

 と、今回は珍しくポケモンの型紹介に終始してしまった。受けポケモンが環境上大きく制限される中、潰しポケモンの選択肢は無数に用意されているので、自分に合った潰しを選択したい。

2009年5月19日火曜日

13、潰しポケモンの流し際

 受けポケモンの流し際については前回の記事で紹介したが、実は潰しポケモンにとっても流し際というものは存在する。受けポケモンの流し際とは何が違うかというと、潰しポケモンの流し際はいかに「大きなダメージを敵に与えられるか」を意識して選択する必要がある点である。以前の記事で出した例をここでも使用する。

【例1】
こちらゴウカザル、相手エアームドの状態。エアームドは大文字で確1だが、敵はおそらく交換をしてくるだろう。ここでの最も安定な選択はみがわりである。これで交換で出てきたギャラドスに雷パンチが入れば十分の流し際と言える。

【例2】
こちらハッサム、相手ヤドランの状態。ここでは相手が交換するかどうかに関わらずとんぼ返りが安定である。

 これらの例は極めて限定的な例だが、これに限らずともこちらの潰しが有利なとき、しばしば潰しポケモンの流し際という状態が現れる。 次の例を見てみよう。

【例3】
こちらマンムー、相手ボーマンダの状態。氷の礫で確1だがマンムーはみがわりも持っている状況として、お互いどう動くか。

【例4】
こちらエレキブル、相手ギャラドスの状態。10万ボルトで確1だが、エレキブルはフルアタで氷属性の技も持っている状況として、お互いどう動くか。

 【例3】はマンムーが礫を打つかどうかが非常に重要になってくる。マンダが交換することを期待してみがわりを張りたいが、万が一開き直って大文字を打たれたらマンムーは倒されてしまう。かと言って礫を打ったらゴウカザルに半減で受けられてしまった、などではせっかくの攻撃のチャンスが止まってしまう。

 このような状況は基本的にマンムー側が有利だが、ともすればチャンスを逸するいわば「有利な読み合い」の状況といえる。整理してみると

氷の礫を選択した場合
 マンダ交換  チャンスを失う=±0
 マンダ居座り マンダ死亡=+1
みがわりを選択した場合
 マンダ交換  チャンス到来=+1
 マンダ居座り マンムー死亡=-1

 となる。相手の行動次第で結果は異なれど、少なくとも礫を選択しておけばアドバンテージを失うことはない。

 【例4】は交換読みの問題である。エレキブルは素早さでギャラドスに勝っており、みがわりがあれば【例1】と同じ状況なのでみがわりが最善の選択肢である。しかしエレキブルがフルアタ型でみがわりを持っていないとすると、ここでも流し際の選択が生まれてくる。整理すると

10万ボルトを選択した場合
 ギャラ交換→地面 チャンスを失う=±0
 ギャラ交換→草  半減ダメージ=+0.5
 ギャラ居座り    ギャラ死亡=+1
交換読み氷技を選択した場合
 ギャラ交換→地面 抜群ダメージ=+1
 ギャラ交換→草  抜群ダメージ=+1
 ギャラ居座り    竜舞or滝登り=-1

 となる。やはり相手の行動次第で結果は異なるが、基本的に10万ボルトを選択しておけばアドバンテージを失うことはない。

 ここまでの例から、潰しの流し際は有利な順に以下のように分類できることがわかる。

1、圧倒的有利【例1、2】
素早さで勝っている上に敵が確1圏にあり、身代わり、とんぼ返りが大安定な状態。

2、有利な読み合い①【例4】
素早さで勝っている上に敵が確1圏にあるが、身代わりやとんぼ返りを持たない場合。

3、有利な読み合い②【例3】
先制技で敵が確1圏にあるが、こちらも敵の攻撃で確1にある状況。

 1の圧倒的有利な状況というのはあまり見ないが、他にもサンダースがスターミーと対峙したときなども同様である。これは考察の余地はない。

 問題は2と3の「有利な読み合い」の状況にあるときにどのような選択をするべきか、という点である。当たり前だが、目前の敵を倒せる技を繰り出すことはマイナスになることがありえない安定な選択肢とも言え、こちらが「有利」たるゆえんである。しかし、実際の対戦でいつも馬鹿正直に技を選択していては、毎回半減で受けられてしまってなかなかチャンスをつかめない。ポケモン対戦では時として危険を省みず交換読みの身代わりや技を繰り出さなくてはいけない時がある。

 これは勝負勘や経験が左右する要素なので一概には言えないが、1回の対戦中に同じ局面が2度現れた時は1回目の局面でどのように動いたかを参考に選択をすることをお勧めする。

 ところで、ポケモン対戦をする以上ある程度の読み合いは避けられないものだが、読み負けるリスクを軽減してくれる身代わりは、潰しパにはできるだけ搭載したい技の一つである。もちろん、とんぼ返りも似たような働きを持つ技だが、ゴウカザルのような高火力の潰しはとんぼ返りをするよりも居座って身代わりを残したほうが敵に与えるダメージの期待値は大きいことが多い。

2009年5月18日月曜日

12、受けポケモンの流し際

 潰しパにおいても受けポケは採用されるべきだという事は以前の記事で説明したとおりだが、それらの受けポケの流し際の行動は実は潰しパにとって非常に重要な問題である。

 というのも、前章で説明したように受けポケというものは努力値をHPと防御or特防に振っているため決定力がなく、敵の潰しの起点にされやすいためである。せっかく敵の潰しを受けたのに、その受けを起点にさらなる潰しを呼んでしまっていたら、いつまで経ってもこちらが殴りにいけない。

 受けパにおいては流し際の行動はステルスロックやまきびし、はねやすめ、どくどくなどいくらでも思いつくが、潰しパの流し際を受けパの流し際と同様に考えてはいけない。潰しパにおいてはまきびしなどの定数ダメージではダメージ蓄積が遅く、再生回復を持つ受けパに定数ダメージで競り負けてしまう。あくまでも潰しパの主役は潰しポケモンであり、流し際に考えるべきはいかにして潰しを無償光臨させるかという点である。以下に潰しパの流し際としてふさわしい技を列挙する。

【とんぼがえり】
もはや説明不要の優良技。格闘をグライオンで受けて交換読みとんぼがえりができれば、相性の良い潰しを無償光臨させていける。

【バトンタッチ】
意外かもしれないが、バトンタッチの効果は「能力変化を交換先に引継ぐ」ことだけではない。「敵の交換先を確認してからポケモン交換を行う」という、いわばとんぼ返りの下位互換的な使い方も可能なのである。もちろん、常に下位互換的な使い方をするのではなく、場合によっては能力変化を引き継ぐ使い方もすることでとんぼ返りの劣化とはならない。また、ソーナンスで捕まえられるとまずい受けポケにとっては保険の意味もある。

【やどりぎのたね】
草ポケにしか使えない技であるが、これを喰らってしまったポケモンは長く居座ることができなくなるので、こちらの潰しを普通に交換出しするのに役立つ。また、潰しで突破できないような積み受けが敵にいるときにも役立つ。

【ねがいごと】
この技は1ターン後に場にいるポケモンの体力を回復するが、これはこちらの潰しを無理やり交換出ししていくのに役立つ。カイリキーやハッサムなど、弱点を突かれなければ一撃では落ちないような潰しを交換出ししていくときにこの技は有力となる。

【リフレクター、ひかりのかべ】
潰しを交換出しする際に頼りになる技。通常の潰しパであれば5ターンもあれば十分潰しを交換出ししていけるので、8ターンにする必要はない。

【きのこのほうし】
キノガッサ限定だが、非常に強力な技。他にもさいみんじゅつ、ねむりごな等で敵を眠らせることができれば潰しを無償光臨させることができる。

【あくび】
上記の眠り技とは意味合いが少し違うが、流し際にあくびを当てる事によって次ターンは敵の交換読みで潰しを交換出しできる。もちろん、敵が眠り覚悟で攻撃してきた場合に対するケアも必要だが、多くの場合交換を誘えるので優秀である。また、必中なので砂がくれや影分身などに強いのもアドバンテージ。

【でんじは、おにび】
これらの状態異常を撒くことは潰しを交換出しする際の保険となる。ただし、ミロカロスに当ててしまうと致命的な失敗になる可能性があるので、敵のメンバーをよく考えた上で打つ必要がある。

【あまごい、にほんばれ】
エースが天候変化によって恩恵を受けるようであれば搭載しうる。ただし、受けポケが出場してこないと天候変化が起こらず、その天候変化がないと潰しが力を発揮できないようなシステムでは本末転倒であるので、使用には慎重を要する。

 逆に、以下の技は潰しパの流し際にふさわしくないと言える。

【一撃必殺】
グライオンの流し際にハサミギロチンというのは非常に有名なパターンだが、これは潰しパに限ってはふさわしくない。一撃必殺技と言うのはそもそも流し回数を増やし、試行回数を増やすことで初めて威力を発揮する。つまり、受けパの流し際としては適切な選択肢かもしれないが、流し回数が必然的に少なくなる潰しパにおいてはかなりリスクの高い技である。何しろ受けがそもそも少ないのであるから、外してしまって敵の潰しを無償光臨させてしまったらこちらの崩壊を早めかねない。これは一撃必殺を潰しパに入れてはいけない、という意味ではないのに注意してほしい。最後の最後に潰しで突破できないようなポケモンに出会ったときにハサミギロチンを連打するというのは非常に有効である。重要なのは序盤~中盤に見られる流しターンに漠然と一撃必殺を打っていくことはリスクの高い戦い方だということである。

【どくどく】
素早さ低下と行動不能を伴うでんじはや攻撃ダウンのある鬼火に比べてどくどくは即効性が低く、潰しパの流し際には向いていない。ただし、これも誤解してはいけないのは潰しパにどくどくを入れてはいけない、ということではなく流し際に打つべきではないということである。潰しパにもどくどくを仕込んでおくメリットは十分にあり、積み受けポケモンをどうしても流さなくてはいけない時などはどくどくが威力を発揮する。

 6on6のパーティーを構築する際には以上のことを踏まえて受けポケモンの選択を行う必要がある。漠然と受けられるだけではポケモンの役割として十分でなく、流し際まで含めてパーティーを構築するようにしたい。流し際に適当な攻撃技をぶっ放しているだけでは所詮受けポケの攻撃なので十分な決定力が得られず、敵に好き勝手されてしまうので注意が必要だ。

2009年5月13日水曜日

11、潰しポケモンの選択②

 とんぼ返りが使えることは潰しポケモンの一つの採用基準になりえる。これはこの技が「8、潰しポケモンの選択①」で述べたようなダメージ蓄積と「10、無償降臨」で述べたような無償降臨の両方を同時にこなしてしまう優良技であるためである。ここではさらに掘り下げてとんぼ返りが使用可能なポケモンを考察してみる。まず、とんぼ返りを使用可能なポケモンを素早さ順に並べると

テッカニン160
クロバット130
エテボース115
ゴウカザル108
ブニャット102
フライゴン100
ムクホーク100
グライオン95
オコリザル95
メガヤンマ95
ハッサム65

 となる。他にもとんぼ返りを覚えるポケモンはいるが、実用性の面から載せていないものもある。

 とんぼ返りの良い点は、相手に交換強制力を働かせて交換を読んで打つ事でダメージ蓄積をしながら有利な潰しを当てていけることである。すると、交換強制力の働かない貧弱なポケモンではとんぼ返りはうまく使いこなせないという事を念頭に置く必要がある。

【テッカニン】
こいつをみると剣舞や身代わりバトンを想像することが多いので、とりあえず先制技持ちやほえる持ちに交換されることが多い。よって交換読みのとんぼ返りは十分に可能である。ステロ4倍なのが大きな問題。

【クロバット】
サポート能力は高いが決定力はないため、敵が逃げてくれることはほとんど考えられない。眠らせた後にとんぼ返りや、雨を降らせた後にとんぼ返りなどの使い方は考えられるが、ここでいうような交換読みとんぼ返りは成功しにくい。ステロは2倍。

【エテボース】
こいつは最高威力のテクニシャン猫だましを使うので、出来れば鋼タイプの物理受けに交換したいという心理が働きやすい。よってとんぼ返りが決まる可能性は十分。

【ゴウカザル】
おそらくとんぼ使いの中では最高の交換強制力を持つ。別に交換読みとんぼなどしなくても交換読み身代わりを張れれば二回殴れるので、厳しいことこの上ない。

【フライゴン】
地面、ドラゴンの強力な技は弱点のポケモンには交換強制力を働かせる。二刀流かつタイプ優秀で素早さも良い値。ステロ半減。

【ブニャット】
クロバット同様、催眠後のとんぼ返りは考えられるが、交換強制力はほとんどないので交換読みは難しい。

【ムクホーク】
インファイト、ブレイブバードとかなり強力な技を持つので交換強制力は十分。ただし、どう考えても物理アタッカーなので相性が悪くなければ物理受けは居座ってくる。ステロ2倍なのも問題。

【グライオン】
非常に珍しいが、こいつはその他受けで紹介したとおりカイリキーやヘラクロスといった格闘受けをこなせる。そして流しのターンにとんぼ返りを打つことが出来る唯一の受けポケモンである。受けと潰しに割けるポケモン数が限られている潰しパにおいて、受けポケにとんぼ返りを持たせられるのは大きなメリットとなる。

【オコリザル】
インファイトに加えてオーバーヒート、種爆弾、逆鱗などを覚える隠れたとんぼ使い。スカーフ持たせて先発させるのが良さそう。ステロ半減。

【メガヤンマ】
普通は特殊攻撃メインのポケモンなので、特殊受けを出したくなるのでとんぼ返りがうまく当たる可能性は高い。ただし、攻撃種族値が低いこととステロ4倍の弱点があるため、いまいちと言わざるを得ない。

【ハッサム】
エスパーや氷、草など、得意な相手にはとことん強いため交換強制力は十分。電気や水など相性等倍の相手にも後攻とんぼ返りからの無償降臨が期待できるためとんぼ使いではおそらく一番使い勝手が良い。ただし、現環境に最も多いポケモンでもあるため、メタを張られている可能性が高く、敵のパーティーによっては活躍機会が与えられない。

 以上何匹かのポケモンを見てきたが、とんぼ返りによるダメージ蓄積を狙う場合、とんぼポケモンの登場回数は必然的に多くなり、ステロダメージが2倍以上では役割を果たせなくなる可能性が高い。すると、とんぼ返りポケモンの選択肢はさらに狭められる。それは

エテボース、ゴウカザル、フライゴン、ハッサム、オコリザル、ムクホーク(ステロ2倍)

の6匹であり、受けポケモンとしてのグライオンを加えた7匹が潰しパの候補ポケモンということになる。

2009年5月8日金曜日

10、無償降臨

 前回の記事では起点のある潰しは場に出しやすいため優先的に採用されるという話をした。

 では、耐久力がなく起点を持たないような潰しはどのように使えば良いのかというと、それはいわゆる無償降臨に頼るほかなくなってくる。

 無償降臨とはその名のとおり、こちらの潰しをダメージや状態異常技などを受けることなくタダで出していくことを指す。このような状況を作り出せる方法を以下に列挙する。

【とんぼがえり】
敵の交換を読んでとんぼがえり、もしくは後攻で一撃喰らってからのとんぼがえりによってエースを無償降臨させることができる。

【みがわり+バトンタッチ】
サンダースで有名なこのコンボだが、サンダース自身が場に出しにくいポケモンなので必ずしも良い方法とはいえない。シャワーズなどにバトンタッチだけを仕込んでおいて、後攻バトンタッチをすることで無償降臨を目指すという使い方もある。

【さいみんじゅつ、ねむりごな、キノコのほうし】
敵を眠らせた次のターンは、敵が寝言を持っていない限り安全にエースを交換出ししていくことができる。

【でんじは、あやしいひかり、いばる】
マヒ状態の敵は25%の確率で行動制限がかかるので、25%の確率で無償降臨ができる。ただし、これはかなり危険な方法といわざるを得ない。一方混乱状態の敵は50%の確率で行動制限がかかるので、賭けてみる価値は十分にある。筆者は以前ランターンででんじは+あやしいひかりを両方かける使い方をしていたことがあるが、麻痺と混乱が両方入っている相手に対してはかなり安全に交換出ししていくことが可能である。

【アンコール】
身代わりやりゅうのまい等にアンコが入れば後続のポケモンを安全に場に出していくことができる。フーディン、ワタッコ、ゴウカザル、ソーナンスなどが主な使い手。

【死に出し】
あまり推奨される方法ではないが、使い道のなくなったポケモンを一体切って死に出しでエースを出していくのはよく見かける。ただし、死に出しを前提にしたパーティー構築をするのではなく、他の無償降臨の方法を確保しつつも対戦時は臨機応変に死に出しも使っていくというのがあるべき姿である。

【先発】
無償降臨とは意味が違うが、交換出しが難しい潰しを先発に持ってくるという方法もありえる。ただし、先発にスカーフが多い環境では逆に一撃で潰されてしまう危険性もあるため、やはり他の無償降臨の方法を確保しておきたいところである。

 ざっと以上のようになる。こうやって見てみると無償降臨の方法というのはあまり多くなく、パーティー構築の際にエースをどのように無償降臨させるのかをしっかりと考えておかないと、せっかくのエースが活躍する場が得られないという事態に陥るのがわかる。

 昨今のハッサムの人気は後攻とんぼ返りからの無償降臨が容易なためと見ることもできる。また、ソーナンスの強さはひとたび場に出せば確実に一匹持って行くか、補助技アンコからの無償降臨が保証されている点だと言える。

 起点の持てる潰しは敵のパーティーに起点がいればいくらでも出していくことができるが、起点のない潰しを使っている人にとって、ハッサムやソーナンスをパに組み込むことは、それだけでエースの無償降臨の機会を増やすことにつながり、簡単にパの流れを良くすることができる。ヘラクロスやゴウカザルを使っているがなかなか活躍の場が得られない、という人は一度ハッサムやソーナンスをパに入れてみると面白いだろう。

2009年5月7日木曜日

9、起点

 潰しポケモンの選択肢として前章では「二刀流」「とんぼ返り」「身代わり」などの具体策を挙げてきた。今回は潰しポケモンの選択肢として「起点」の観点から考えて見る。

 起点とはある敵のポケモンに対してこちらの有利な潰しポケモンを交換出ししていくことで、交換時のダメージをほとんど受けることなく、安全に潰しポケモンを出していけるような相手を言う。具体的には「シャワーズはユキノオーやルンパッパの起点になる」とか、「グライオンを起点にしてゲンガーを出していく」などのように使う。

 潰しポケモンの宿命として避けられないのが「交換出しが難しい」という事である(ギャラドスやボーマンダのように耐久力のある潰しも存在するが)。例えば二刀流アタッカーの代名詞ゴウカザルは、普通の状況では交換出しは難しい。たとえ相手が相性的に有利なエアームドでも、万が一交換際にドリルくちばしがとんできたらたまらないので、普通は交換出しはためらわれるところである。よって、大抵の場合ゴウカザルは「敵の炎技を読んで」出て行ったり、「敵の交換を読んで」出していくことになる。

 しかし、潰しポケモンをゴウカザルのように交換出ししにくいポケモンばかりで固めてしまうと、対戦の中で潰しを出す機会が減ってしまい、結果的に長期戦になり潰しパの勝ちにくい状況ができあがってしまう。つまり、潰しポケモンの選択を考える時に「起点」を持っているポケモンは優先的に採用する動機となることがわかる。

 起点はポケモン固有のもので一般的に論じることは難しいが、大抵はタイプ相性によって規定されていると考えられる。起点にしたいポケモンをメタって、そこを起点にできるような潰しポケモンを選択するのが良い。一応以下に起点の例を挙げておく。

・ユキノオー、ルンパッパの起点
 シャワーズ、ミロカロス、ヌオーなど
・ヘラクロス、カイリキーの起点
 ブラッキー、悪ポケ
・ゲンガーの起点
 グライオン
・ボーマンダの起点
 ダグトリオ、ゴウカザル(めざ氷なし)
・ギャラドスの起点
 ゴウカザル(雷パンチなし)
・ラグラージの起点
 電気全般
・キノガッサの起点
 ギャラドス、水ポケ

 マタドガスなどは流し際の選択肢が鬼火くらいしかないので、ゴウカザルやウィンディを呼びやすい。

 他にも多くの起点があるので、潰しを選択する際には考えてみると良い。

2009年5月6日水曜日

8、潰しポケモンの選択①

 潰しパの構築法なのに長々と受けについての記事を書いてきたが、ここからはついに潰しポケモンの選択について書いていく。さて、受けを潰しで突破することを考える時重要なのが

1、いかに抜群の技を当てに行くか
2、いかに特化していない方の攻撃を当てるか
3、特化している方の攻撃でも、ダメージ蓄積があれば突破できるので、いかにダメージ蓄積をさせるか

 ということである。逆に受ける側から潰しに対抗する事を考える時重要なのが

4、いかに麻痺・毒・やけどなどの状態異常を撒くか
5、いかに体力回復を行うか
6、いかに流しのターンを有効に使えるか

 ということである。ここは本研究の肝なのでどのような時にこういった状況が生まれるか一つ一つ見ていくことにする。

【1、いかに抜群の技を当てるか】
・潰しポケモンが受けポケモンに対してそもそも有利なタイプである時
・役割破壊技を持っている時
・交換読みで抜群の技を当てに行く時
・身代わりなどが出ていて受けポケモンが攻撃せざるを得ない時

【2、いかに特化していない方の攻撃を当てるか】
・こちらの潰しが二刀流の時
・役割破壊技を持っている時

【3、いかにダメージ蓄積をさせるか】
・ねこだましによる無償ダメージ
・ステルスロックや砂嵐などの定数ダメージ
・交換読みとんぼ返りによるダメージ
・交換時の打ち逃げダメージ
・毒ややけどの状態異常ダメージ

 これくらいだろうか。この3点は受けを突破する上で非常に重要になってくるが、実際のポケモン対戦をやって見ると、1番の抜群技を当てる場面というのはめったに出てこない。相手も抜群技を喰らう可能性があるならば受けを変えてくるだろうし、紙耐久の潰しポケが無条件で身代わりを張れるタイミングなどそうそうない。

 すると、まず潰しの候補として有力なのが二刀流によって相手の特化していない方に攻撃を加える事であるのがわかる。ダメージ計算ツールで計算するとわかるが、物理耐久が高いグライオンやマタドガスも、大文字や波乗りなどの特殊攻撃を受けるとあっという間に沈んでしまう。

 そして、蓄積ダメージについてはしっかり考察しないと見逃してしまいがちだが、「ステルスロック等を使わない純粋な潰しパでは、ダメージ蓄積は実はほとんど望めない」ことがわかると思う。受けを崩す上で重要な蓄積ダメージだが、その実、潰しパで有効打につながる蓄積ダメージを与えるのは非常に難しいことがわかる。序論でジバコイルが10万ボルトを打ったらハピナスが出てきた例を挙げたが、この程度では蓄積ダメージを与えたとは言わない。ジバコでハピナスに10万ボルトを当ててもダメージは20%前後であるから、もう一発喰らってからでも回復が間に合う。

 潰しパにおいてダメージ蓄積を効率的に行うには「身代わり、とんぼ返り」が必須であると考えられる。

 例えば敵のヤドランにこちらのハッサムを当てていったとしよう。放っておけば大ダメージは確実なのでヤドランは交換するしかないが、ハッサム側の選択はとんぼ返りで大安定なのである。これによって交換先の物理受けポケモン(おそらくギャラドスやマタドガスなど)に相当なダメージを与えつつ、その受けポケモンに対して有力なポケモンを後だしすることができる。すると、次のターンも敵は受けを交換する必要が出てくるので、こちらはさらにかさにかかって身代わり、とんぼ返りといった選択をすることができるようになる。もちろん、敵の開き直りを読んで抜群技を当てに行ってもよい。

 もう一例挙げると、ゴウカザルの前にエアームドがいた場合、敵は十中八九交換をしてくるが、ここで無造作に大文字をぶっ放しているようだとドククラゲやギャラドスに受けられて困ってしまう。ゴウカザルの火力では大文字の半減ダメージ+他の技の組み合わせでこいつらを突破することはできない。しかし、交換際を身代わりにしてやれば出てきた敵に対して最も効果的な技を選択することができるので、大きなダメージ蓄積が見込める。この場合だと身代わり→雷パンチとつなげられれば満点の戦い方である。


 次に受け側の視点からの考察を行う。どのような場面で以下の状況が生まれるかを考えて見る

【4、いかに麻痺・毒・やけどなどの状態異常を撒くか】
・潰しを受けて流すターンに電磁波、どくどく、鬼火
・物理受けを行う時にごまかしで鬼火
・流しターンにどくびし

【5、いかに体力回復を行うか】
・食べ残し、黒いヘドロによる毎ターン回復
・受けが成立している時や流し際の再生回復技
・回復手段を持たない受けのオボンのみ、ねむカゴによる回復

【6、いかに流しのターンを有効に使えるか】
・ステルスロックやまきびしを撒く
・上記の状態異常を撒く
・上記の体力回復を行う

 といったところか。こうやって見てみると受けパの非常に特徴的な部分が垣間見える。それは、「全ての行動は流しターンでないと行えない」ということである。どんな受けパでも、目前に天敵のポケがいたらおちおちステルスロックなんて撒いていられない。ゴウカザルが目の前にいるのに交換以外の選択肢を選べるエアームドはいないだろう。

 すると、潰しパが受けパに勝利するためには、何が何でも「流されない」事が最重要になってくる。そして、流されないためには常に有利なポケモンを対峙させ続け、敵の交換を読んでとんぼ返りや身代わりを打つ。これに尽きるのである。ある程度とんぼ返りによってダメージが蓄積してくれば、別にとんぼ返りでなくてもタイプ一致の最強技で無理やり突破できる状況が生まれてくる。この時こそ、潰しパの勝利の瞬間である。

2009年5月4日月曜日

7、メタゲームと受けの放棄

 ポケモンに限らず、あらかじめデッキを組んでおいて戦うようなゲームにはメタゲームがつきものである。メタゲームとは、現在の対戦環境において支配的なパーティーを仮想敵とし、それに有利になるように自分のパーティーを構築することで勝率を上げるというものである。

 ここまで「2、潰しパにおける受けの必要性」の表にあるようなポケモンを仮想敵として考察を行ってきたが、この中には実戦であまり見かけないポケモンも存在する。頻度的にはポリゴンZ、トゲキッス、メガヤンマはそこまで多く見かけない。特にメガヤンマはステルスロックのダメージが4倍なので、6on6では好まれない傾向にある。 対して、すでに対策を行ってきたエンペルトやキングドラ、ギャラドス、ゴウカザル、ボーマンダなどはこれでもかというくらい頻繁に見かける。サンダースやエレキブルは実はギャラドスやゴウカザルほどは数が多くない。

 潰しパにおいても受けが必要だとはいえ、2、3匹のポケモンで受けられる相手というのには限りがあり、どこかで受けを放棄せざるを得ない。それが今回のテーマであるメタゲームと受けの放棄である。

 仮想敵としていたポケモンを敵が使って来なかった場合、その対戦における受けポケモンの価値は一気に下がる。なにしろ素早さが低くて決定力もないものだから、受けの対象外の潰しに当てて行ったらひとたまりもない。水受けのランターンを入れていたら敵に水ポケがいなく、マンムーやガブリアスしかいなかったとしたら、ランターンははっきり言ってスペースの無駄遣いになってしまう。

 受けを選択する時に重要なのは、どのポケモンにメタを張るか、どのポケモンの受けを放棄するか、という点を明確にすることである。このブログではまずメタの最重要ポケモンとしてエンペルト、キングドラ、ギャラドスの3体を挙げている。これらは現在の環境で全抜き性能が非常に高いためである。メタの次点としてはゴウカザルとボーマンダを挙げる。これらは二刀流で非常に受けずらく、全抜きと言わずとも2、3匹はあっという間に持っていかれてしまう危険性を持っているためである。ただし、ゴウカザルはまだしもボーマンダを安定して受けるのはほぼ不可能なので、ある程度の諦めは必要である。その後のメタはサンダース、エレキブルの電気受けやヘラクロス、カイリキーの格闘受けに移っていく。

 勘違いしてはいけないのだが、このブログで構築しようとしているパーティーは以上のようなメタにのっとって、それらを含むパーティーに対して勝率が良いパーティーを想定している。大会や対戦掲示板にはそれぞれ流行のパーティーがあり、当然メタも変わってくるということに注意しなくてはならない。

 受けを放棄するとは例えば、「電気受けはエレキブルの存在を無視してサンダースさえ受けられれば良いとする」ような時「エレキブルの受けを放棄する」と表現することができる。こうすると、ランターンが水受けだけでなく電気受けとしても使えるので受けポケモンの選択肢が広がる。他にも、ヘラクロス受けを放棄するならば格闘はヤドランだけで大丈夫になる。ただし、受けを放棄したポケモンを敵が使っていた場合受けが成立しなくなるので、その穴をパーティー全体で補うように努力しなくてはならない。受けの放棄はパーティー全体の構築にも少なからず影響を及ぼしてくるのである。

2009年5月2日土曜日

6、特定受けと広範囲受け

 ポケモン対戦を初めてしたとき、受けポケモンのあまりの堅さに驚いた方は多いのではないか。私も始めて組んだパではガブリアスやらトゲキッスといった厨アタッカーを使用していたが、ことごとく受けきられて驚愕したものだ。

 「受け」の定義について今まで述べてこなかったが、簡単に言えば「受け」とは相手のポケモンに対して後出し(交換出し)していっても敵の攻撃を耐えることができ、相手を流したり倒すことができるポケモンのことをさす。人によっては「受け」と「流し」を区別して、受けは再生回復を持つことで対象を何度でも受けられるのに対し、流しは回復技を持たず、流し回数が2、3回に限られると定義することもある。

 ポケモンの受けには基本的に物理受けと特殊受けの2種類があるが、その中でもそれぞれ特定受けと広範囲受けに細分されることを考えると4種類存在するとも言える。厳密に仮想敵を持ちそれを受けることに特化したものを特定受けと呼び、仮想敵を持たずに物理全般、特殊全般を受けるポケモンを広範囲受けと呼ぶ。

 例えばヌオーなどは種族値が低くとても広範囲物理受けとしては使えないが、以前の考察で見てきたとおりギャラドスやエレキブルはがっちり止める、まさに特定受けである。

 物理の広範囲受けはカバルドン、特殊の広範囲受けはハピナスが有名だろう。彼らは特化したときの防御性能が非常に高く、等倍の技でも場合によっては無理やり止めることができるのが特徴である。

 お気づきのようにここまでの考察では特定受けについてのみしか考えてきておらず、広範囲受けを採用する気は一切なかったが、これには理由がある。

 ポケモンは持てる役割が明確でないと使いにくい。受けの選択においても仮想敵を決めて受けを選択することが重要となる。仮想敵のいない、つまり役割の不明確なポケモンは出すタイミングがないので、無理やり出そうとすると交換際の攻撃で大ダメージを受けてしまったりする。これはダイパプラチナ時代になって潰しの決定力が底上げされたために起きた現象で、受けの細分化とも呼ぶことができるかもしれない。

 例えば前述のカバルドンなどは種族値を見るとHP108防御118でとてつもなく堅い印象を受ける。しかし半減できる属性が毒、岩、電気しかないため、実際のところ受けられる物理アタッカーはほとんど存在しない。

【例】
・ハチマキカイリキーの爆裂パンチで41%-48%の被ダメージは一回混乱が発動したら落ちてしまうし、仮になまける連打で粘ってもカイリキーに決定打を与えられないので流すことはできない。
・根性ヘラのインファイトは43%-51%で乱数域に入っており、その他のダメージ蓄積があれば2発で突破
・ギャラドスはタイプ的に受けができない
・ボーマンダは逆鱗も厳しいが二刀流の流星群もあるのでとてもじゃないが受けられない

 このように今まで考察してきたようなポケモンに対して全く役割を持てない。どんなに能力値が高くても、その能力を以って受ける対象がいなければ宝の持ち腐れであり、パーティーに組み込む動機とはならない。

 ただし、ハピナスだけは今作唯一の広範囲受けと言って良い受け性能を持っており、スターミーやポリゴンZ、メガヤンマなどかなりの特殊アタッカーを等倍でも無理やり受けることができる。ただし、水受けの考察で見てきた高速移動みがヤタエンペルトやすいすいキングドラなどは決定力が高すぎて受けが難しい事に注意を要する。

 パに受けポケモンを組み込むときはそのポケモンが受ける対象を明確にして努力値や技の構成を考えなければならず、漠然と特殊は全部ハピ任せ、というようなパでは勝率は上がらないということである。

2009年5月1日金曜日

5、その他の受け

 ここまでの記事で水受けと電気受けについて考察したが、「2、潰しパにおける受けの必要性」で挙げたような代表的な潰しポケモンの中には、いまだに受けられていないポケモンが数匹いることに気がつく。現在すでに受けポケ枠が2匹確定してしまっているので、もはや受けに割けるポケモンはあと1匹と考えた方が良い。自由度のある潰しポケモンの選択を行うためには、できるだけ多くの枠をフリーにしておきたい。

 その他のポケモンで要注意なのはボーマンダ、ゴウカザルの二刀流系と、カイリキー、ヘラクロスの格闘系である。この章ではこれら4匹に対する安定受けを探ることにする。

【ボーマンダ】
りゅうせいぐん、げきりんといった半減の難しい二刀を持ち、サブウェポンにはだいもんじ、ハイドロポンプ、瓦割り、じしん、つばめがえしなどを持つ。ゴウカザル同様全ての型を受けきるのは不可能なので、できるだけ安定した受けを探ると

マンタイン、エンペルト、ヤドキング、ヤドラン、ギャラドス

くらいしか思いつかない。ヤド2匹はりゅうせいぐんと逆鱗のどちらかを振っていない方に喰らうと致命傷になるので、交換出しは一種博打である。

【ゴウカザル】
インファイト、だいもんじ、くさむすび、かみなりパンチ、じしん、とんぼがえり、みがわり、めざパ氷など、技の多彩さではボーマンダのさらに上を行く。こちらも全ての型を受けきるのは不可能なので、できるだけ安定した受けを探ると

ドククラゲ、ヤドキング、ヤドラン、ギャラドス、ボーマンダ

などであろう。ただし、ゴウカザルは若干決定力に欠けるので、サブウェポンで抜群をとられても、体力が満タンの状態からならゴリ押しできる事も少なくない。それらを加味すると

スターミー、ミロカロス、シャワーズ 、水地面(リンド持ち)

なども受けの候補に挙がる

【カイリキー】
基本はノーガード爆裂パンチを繰り出してくる。先制の爪を持っていることもある。まれにインファイト根性型も見るが、小数派であろう。

ヤドラン、ヤドキング、グライオン、ギャラドス、ボーマンダ、ヨノワール、ミカルゲ

ただし、素早さが低いことを考えるとある程度体力を削ることさえできればあとは誰でも始末できる。よって対策の必要性は二刀流の2匹よりは低い。

【ヘラクロス】
根性火炎球剣舞メガホーンが脅威。また、まれにみがカムむしのしらせ型もいるらしい。

グライオン、ギャラドス、ボーマンダ、ヨノワール、ミカルゲ

ここまで何度も名前の挙がってきたヤド達は、こいつが最大の弱点である。また、素早さも85族とそこそこなので、後半に素早さの高いポケモンが残っていないと全抜きもありえ、カイリキーよりは優先度が高め。

 さらに補足として、ゴウカザルとヘラクロスは死に出しに限ってはダグトリオで確実に倒すことができる。貴重な潰しポケモンの1匹をダグトリオに割くかどうかは重要な問題だが、一応考えておく。

 不思議なことに、これら全てを受けうるのはギャラドスとボーマンダのみという結果になってしまった。もちろん、彼らだって万能ではなく、格闘ポケモンのストーンエッジは相当なダメージを受けてしまうし、ステルスロックが2倍というのも受けとしては不満な点である。まだ枠の決まっていない潰しポケモンにうっすらと受けをカバーしてもらうようなパーティーの組み方も考えられるだろう。また、ボーマンダについては一応受けの候補は挙げては見たものの、そのどれもがマンダの型によっては突破されてしまう可能性が拭いきれず、はっきり言ってボーマンダを安定して受けることは不可能であることに注意して欲しい。

2009年4月30日木曜日

4、ギャラドス受け

 エンペルト・キングドラとギャラドスは物理特殊の違いがあり、同様には受けられない。しかも、ギャラドスはおそらく現在の6on6の環境で最も良く見るポケモンであるので、その対策は潰しパを構築する上でも決して欠かすことはできない。筆者はポケモンを初めて間もない頃に、残り1匹対6匹の状態から竜舞ギャラドスに全抜きされた経験があるが、6on6をやっている人ならばギャラドスの危険性は十分に認識している事だろう。以下ではギャラドスを安定して受けられるポケモンを考察する。

 ギャラドスの型は大きく分けて二つ。竜舞挑発型と物理受け型である。前者は滝登り+エッジorじしんorおんがえしという技構成が多く、後者にはねむるやでんじはが入っている可能性が高い。よって、メインウェポンの滝登りを竜舞1舞後でも受けられつつ、サブウェポンでも抜群を取られないようなポケモンが対策となりえる。また、ギャラドスは電気が4倍弱点なので、対策としてはめざパ電気を仕込むだけで比較的簡単に処理できる。

【ギャラドス受け】
ヌオー、水地面族、エンペルト(シュカ持ち)、ルンパッパ、ニョロボン、ヤドラン、シャワーズ、ミロカロス、ビーダル(天然)、ドクロッグ(地震なし限定)

マタドガス、ヨノワール、モジャンボ、キノガッサ、ポリゴン2(トレース)、ジーランス

 以上が候補となる。ギャラドスは技の選択肢が限られているため、結構止まり易い。ただ、場合によっては竜舞滝登りだけで6人抜きすら可能にするポテンシャルを秘めているので、止まり易いからといってノーケアでは痛い目にあう。前回の記事と同様に、上記のポケモンに持たせられる他の役割を列挙すると

ヌオー 電気受け、一部水受け
ラグラージ等 電気受け
エンペルト 水受け、ボーマンダ受け、潰し
ルンパッパ 水受け
ヤドラン カイリキー受け、ゴウカザル受け、瞑想アタッカー
シャワーズ 水受け、ゴウカザル受け
ミロカロス 水受け、ゴウカザル受け

ヨノワール トリックルーム
モジャンボ 晴れアタッカー
キノガッサ キノコの胞子
ジーランス 潰し

 といったところである。ギャラドスに対して後出ししていけるポケモンがパにいないと本当に厄介なので、ギャラドスの対策はしっかり行うことをお勧めする。

2009年4月29日水曜日

3、水受けと電気受け

 潰しパにおける受けの優先順位は基本的に素早さに依存する。こちらより素早いポケモンは何もする暇もなくやられてしまう可能性が高いためだ。逆に、どんなに重火力でも足が遅いポケモンにはいくらでも対処のしようがある。6on6において、素早さが高く、パに対応できるポケモンを入れておかないと困るポケモンとは

エンペルト 130族抜き高速移動みがヤタ
キングドラ すいすい
ギャラドス 竜舞
サンダース 130族
エレキブル エンジン発動130族抜き調整

 の5体である。そう、今回の題名の水受けと電気受けは、潰しパを構成する上でかなり優先度の高い対策なのである。死に出しでエンペルトを切り出されたときに、適切な受けをパに組み込んでおかないと高速移動からあっという間に大惨事になる事は6on6をやっていればみんな知らず知らずのうちに理解していることであろう。

 いろいろ考えて見れば分かることだが、水受けと電気受けを1匹で完全に両立するのはほぼ不可能と言ってよい。以下に考察を示す。

【水受け】
 水受けの対象は今回はエンペルトとキングドラとする。ギャラドスについては次回の記事に別に考察をまとめる。
 まず、草タイプと水タイプが水攻撃に対して耐性を持つが、草ポケモンは水のサブウェポンの冷凍ビームも受けることを考えると氷等倍であることが望ましい。これらを満たすのは

草  ユキノオー、ルンパッパ
水  エンペルト、キングドラ 潰し系
   ドククラゲ、ヤドキング、ランターン、ミロカロス 特殊受け系
   マンタイン、ヌオー、ニョロボン、ニョロトノ、シャワーズ、ラプラス 貯水系

 である。実は筆者は以前ランターンに電気受けと水受けを任せた潰しパを使っていたのだが、ランターンがエレキブルを受けられない、つまり電気受けの役割を果たせないことに気がつき、このような考察をしようと思い至ったわけである。

【電気受け】
 草、地面、電気自身が電気攻撃に対して耐性を持つが、電気のサブウェポンはめざパ氷と相場が決まっているので、草と地面といえども安定して受けるには氷等倍でないとならない。これらを満たすのは

草  ユキノオー
地面 バクーダ、マンムー、ハガネール、ヌオー、ラグラージ、トリトドン、ナマズン
電気 ランターン、エレキブル

 くらいのものである。なんと、電気を完全に受けられるポケモンは意外に少ないのである。エレキブルは相手のエレキブルに交換出ししていくのは身代わりを張られる可能性を考えると安定しない。さらに、ユキノオーはエレキブルの火炎放射に弱いため、これも安定とは言えない。あまり見ないがライボルトなどはオーバーヒートを確実に持っているので、炎弱点を持つのは電気受けとしては望ましくない。安定性を考えると本当の意味での電気受けは

地面 ヌオー、ラグラージ、トリトドン、ナマズン

 の4体しか存在しない。マンムーとハガネールはサンダースには負けないが、エレキブルやライボルトには安定しない。
 電気を受けられるポケモンがこんなにも少ないなんて調べてみるまでわからなかったが、それもこれもエレキブルという電気ポケモンのくせに電気らしくない技をたくさん覚える(じしん、火炎放射、クロスチョップ、冷凍パンチなど)バランス破壊モンスターの存在が原因である。

 パに水受けと電気受けを入れるとなると、上記のポケモンをそれぞれ一匹ずつチョイスし、それにさらにいくつかの役割を持たせなくてはならない。単なる電気受け、単なる水受けしか役割をもてないようなポケモンは入れているスペースはない。そこで、上記のポケモンに持たせられる他の役割を列挙してみる。

【水受け】
ユキノオー 二刀流アタッカー、雪降らし
ルンパッパ 雨受け
エンペルト シュカ冷凍ビームでボーマンダ、ガブリアス受け、キッス受け、潰し
キングドラ 炎受け、雨アタッカー
ドククラゲ ゴウカザル受け、ハッサム受け、剣舞アタッカー
ヤドキング ゴウカザル受け、ボーマンダ受け、カイリキー受け、瞑想アタッカー、トリックルーム
ランターン エレキブル以外の電気受け、キッス受け
ミロカロス ゴウカザル受け、ギャラ受け
マンタイン ボーマンダ受け
ニョロボン 岩、悪、虫半減
シャワーズ ゴウカザル受け、ギャラ受け
ラプラス  絶対零度

【電気受け】
ヌオー ギャラ受け、一部の水受け、メタグロス受け
トリトドン ゴウカザル受け、ボーマンダ受け、メタグロス受け
ハガネール 大爆発による役割破壊、鋼による一部の物理受け
エレキブル 潰し

 ざっとこんなものであろう。潰しパを組む上では、以上のような電気受けと水受けの各ポケモンの特徴を良くつかみ、自分の潰しポケモンで対処できない部分はできるだけカバーするようにポケモンを選択する必要がある。

2009年4月28日火曜日

2、潰しパにおける受けの必要性

 さて、潰しパを構築するにあたり考えなくてはいけない要素は大きく分けて2点。「誰を潰しにするか」と「誰を受けなくてはいけないか」である。

 やってみればわかるが、何も考えずに潰しを6体入れたような初心者パーティーはこれでもかというくらいいとも簡単に負ける。それは敵のポケモンとこちらのポケモンの相性が悪くて潰し切れない場合に、交換する先のポケモンがいないためである。例えば、こちらのゴウカザルの前にスターミーが死に出しで出てきた時、放っておけばゴウカザルはなみのりやサイコキネシスで一撃で落とされてしまうが、こちらの控えにこれらの技を喰らって生きていられる奴がいなかった場合、非常に困ったことになる。冗談のように感じるかもしれないが、適当な潰しパを構築するとこのような場面に遭遇して困ることが本当にありえる。 控えに自慢のガブリアスやらカイリキーやらヘラクロスがいようと、この状態からでは出すチャンスがなく、全員一撃死をもらってしまうことが大いに考えられる。 潰しポケモンの登場機会が死に出ししかないようなパでは勝率は上がらないのだ。

 すると、いかに潰しパと言えども必要最低限の受けポケは必要になることがわかる。ただし、この受けポケの数を増やしてしまうとどうしても受けパ的になりがちなので、ここで考えるべきは本当にぎりぎりラインでの「こいつだけは受けなくちゃダメだ」というポケモンは誰かを探ることである。そして、そのぎりぎりラインのポケモン達を、できるだけ少ない枚数で受けてやることで、潰しに割けるポケモンの数を増やすことができる。  さらに言うと、潰しの中には特殊な例がいて、ここで言う「受けなくちゃダメなポケモン」を、交換出しから受けつつも潰しとしての機能を遂行できる類のものがいる。これは一般的に流しと呼ばれるような役割に近いかもしれないが、受けの枚数を最低限に抑えながら潰しを増やしたい状況で、このようなポケモンは優先的に採用してやる必要がある。

 それでは早速、「受けなくちゃダメなポケモン」を探っていくことにする。  潰しパにおいて、どうしても受けなくてはならないポケモン、それはまさに相手の潰しポケモンである。こちらの潰しよりも素早い潰し、相性の悪い潰しなどと遭遇したときにどう立ち回るかが非常に重要になってくる。考えられるだけ列挙すると


 などである。他にもアタッカーはたくさんいるが、全て挙げているときりがないのでとりあえずメジャーどころを抑えてみた。

 受けパにおいてはこれらのポケモンを何重にもカバーして受けを成立させれば良いが、潰しパではそんな余裕はない。できるだけ少ない枚数で幅広くカバーできるような体制を築かなくてはならない。

 以降の章ではさらに個別に受けポケモンについて考察する。

2009年4月27日月曜日

1、受けパと潰しパ

 6on6のパーティーを考える時、大方のパーティーは受けパと潰しパに分けられる。

 受けパとはパーティーの5体前後を受けポケモンに裂き、ステルスロックをはじめとする定数ダメージや自己再生などの長期戦を意識した技を駆使して時間を稼ぎ、ダメージの蓄積した敵を徐々に崩していくパを指す。

 潰しパとはパーティーに受けポケモンをほとんど入れず、潰しポケモンをどんどん当てていくことによって敵の受けを崩し、短期戦で決着をつけるパを指す。

 受けパの受けポケモンを流し気味に使用するパは流しパと分類することもできるが、本質は受けパと同様である。また、ソーダグは一種のハメパであるが、構成ポケモンを見る限り完全な潰しパであり、最も成功している潰しパと言えるかもしれない。また、バトンタッチを使用したコンボパは別に分類するべきものかもしれないがここでは触れない。 まず、受けパと潰しパの特徴についてまとめてみる。

【受けパの特徴】
・ステルスロック、まきびし、どくびし、砂嵐等の定数ダメージを利用
・高速スピンの採用率も高い
・食べ残し、黒いヘドロ、カゴのみ、オボンのみなどの回復系アイテムを多用
・自己再生、なまけるなどの再生回復が重要な技となっている
・物理、特殊の受けを5体ほどでカバーしあっているため、あるポケモンに対する受けが2枚以上いることが多い

【潰しパの特徴】
・定数ダメージを撒いている暇はほとんどなく、自動起動の砂嵐や霰以外の定数ダメージはあまり利用しない
・高速スピンはまず使用しない
・こだわりハチマキ、いのちのたま、ヤタピのみ、こだわりスカーフなどの潰し力を底上げするアイテムを多用
・インファイト、ハイドロポンプなどの決定力のあるタイプ一致技が重要な技となっている
・加えて大文字やめざパ、二刀流などの手段で敵の受けを無理やり突破することが重要
・相性の悪いポケモンを出された場合、受けられないポケモンが存在しうる。また、ある1匹に受け性能を頼りすぎているために一体抜かれると止められなくなる事態がありえる

 現在の環境で受けパが安定していて強い理由は、「パを組みやすいため」だと考えられる。一通りの潰しを想像してそれらを安定して受けられるポケモンを集めてやれば、勝ちに行かなくても「負けない」パーティは構築する事ができる。

 それに対して潰しパは非常に「パが組みにくい」と言える。これは6on6におけるパーティー構築論が完成されていないためだが、簡単な例を挙げてみる。

 潰しのマンムーに対してエアームドを出されてしまったとき、吹雪を覚えていないマンムーは有効な手段が何もなくポケモン交換を余儀なくされる。この時受け側はステルスロックを撒いたりはねやすめをするなどの猶予が与えられる。仮にここでジバコイルを交換出ししたとする。次ターンに10万ボルトを打ってみたら綺麗な抜け殻で逃げられてハピナスを呼んでしまったらどうだろう。ジバコイルはまたもや引っ込むしかなくなるが、ここでハピナスは交換読みの天の恵みかみなり、でんじは等を打つことができる。 この2ターンの応酬を見ただけで、この潰しパはかなりのアドバンテージを失っているのがわかる。無条件のステルスロックに加えて一体麻痺を喰らってしまったら、潰しパの機能は一気に失われる。

 潰しパは潰しポケモンが受けにがっちり止められるような場面(上のマンムーとジバコイルのような例)が2回くらい現れると途端に劣勢になる。つまり「受けで止まるアタッカーは入れない」事が非常に重要になってくる。しかし、これが口で言うのは簡単だが非常に難しい。

 一方、受けパは組みやすいが弱点がないわけではない。例えばボーマンダとゴウカザルは型がわからないと誰で受ければ良いのか分からず、受け間違えるとあっという間に一匹持ってかれてしまう危険な存在である。また、はりきりハチマキキッスに対して特殊受けを出すと神速で一撃で落とされたりと、意表をついた攻撃から受けが落ちてしまうと負けコースに入ることがある。ポケモンの数はかなり多いため、たったの5匹やそこらでそれらを全て受けきるのは不可能に近く、どうしても「受け穴」が存在してしまうのが受けパの弱点であろう。

 本ブログでは負けない事を指向した受けパではなく、自ら勝ちを獲りに行く潰しパに重点を置いて研究を進める。

2009年4月26日日曜日

はじめに

 こんにちは、elionです。

 今までブログなんてやったことがなかったのですが、ポケモン対戦にハマり過ぎてしまった結果、このようなサイトを開設するに至りました。

 ポケモンブログはネット上に無数に存在し、多くのポケモンプレイヤーがそれらから情報を得て、対戦を楽しんでいると思います。しかし、その情報にはスタンダード毎にかなり偏りがあり、特に6on6をテーマにしたブログの数は限られています。

 ご存知のようにポケモン対戦のスタンダードには

6to3(見せ合いありシングル3-3)
3on3(見せ合いなしシングル3-3)
6on6(見せ合いなしシングル6-6)
6to4(見せ合いありダブルバトル)
4on4(見せ合いなしダブルバトル)

 などがあり、パーティー構築や戦術などはスタンダードによって劇的に変化します。基本的にポケモン対戦界で人口が多いのは3on3で、最近だと公式大会の6to4やその練習用の4on4も人気が出てきているようです。

 一方、私のやっている6on6は対戦に時間がかかることやパーティーを作るのが面倒なことなどから敬遠されがちで、上記のスタンダードの中では比較的人口が少ないような気がします。そして、競技人口が少ないためにこのような6on6専門のポケモンブログの数も少なく、その情報量は十分であるとは言えません。

 このブログでは既存のポケモンブログにないような6on6対戦のパーティー構築法について書いていきたいと思います。