2010年4月18日日曜日

31、パーティー紹介 slakeさん

準優勝のslakeさんのパーティーです。

【ラグラージ ひかえめ イバンの実】
【ステロ 冷凍 ドロポン だいちのちから】
【特攻252 素早さ20 残りHP】

【ハピナス ひかえめ ぬけがら】
【草結び 冷凍 電磁波 タマゴ産み】
【防御252 素早さ60 残り特攻】

【ヨノワール わんぱく 食べ残し】
【おにび じしん 雷パンチ かげうち】
【HP252 防御252 攻撃4】

【スターミー 臆病 メガネ】
【ドロポン 冷凍 10万 キネシス】
【素早さ252 特攻252 HP4】

【ゴウカザル むじゃき スカーフ】
【インファ オバヒ 雷パンチ めざパ氷】
【攻撃252 素早さ252 特攻4】

【ルカリオ ようき 珠】
【剣の舞 インファ しんそく かみくだく】
【攻撃252 素早さ252 特攻4】

【バトルビデオNo.】80-72624-84861

【パーティ説明】
 最近多くなってきた潰しパを意識した流しパです。ステロを撒いて受けつつ、流し際には交換読みで抜群を取りにいったりします。
 先発のラグラージは基本的にはステロを撒いて、後半はイバンで一体持って行く感じです。相手の先発がマンダの時だけは冷凍で押します。その場合イバンはステロを撒くのに使ったりします。ステロ+1対1交換までが役割ですね。

 ハピとヨノワは受けを重視していて、タイプ相性がいいです。ハピの草結びは電磁波が効かないラグやドサイドンに打ちます。また、ドラゴンを無理矢理冷凍で倒すこともあります。マンダは基本的に初手流星群なんで後出ししてました。ガブのハチマキ地震も耐えるので1対1交換ということもありました。
 ヨノワは物理全般を受けるのですが、何よりギャラとインファを安全に受けれます。雷パンチはギャラ意識です。
 この2体で大体の奴は受けれていたと思います。あとは読みの力で下記のアタッカーを出せるかどうかにかかってきます。

 猿は言わずもがなストッパーです。スカーフマンダ、竜舞ギャラなどを止めます。決定力がないので使いどころが難しいですが、最終局面でインファ全抜きということも多かったです。また、ナンスに弱いので気をつけて使ってました。

 スターミーはミロシャワを起点に出来るアタッカーです。滝登りが読めればギャラにも出てました。決定力を上げるためにメガネにしてますが、読み合いが必要になる難しいやつでした。基本的にはドロポンぶっぱですがwメインウェポンが水のやつは強いですよね。

 そして最後にルカリオ。こいつがうちのパのメインアタッカーになります。最終的に敵のパが全員見えたら剣舞をする隙を探して、しんそく、インファで全抜きします。

 このパのコンセプトは、受けの2体+ラグで出来るだけ相手のパの戦力を明かし、削り、たまに出てくる猿+☆で敵数を減らす。そして、ステロダメージや流し際のダメージで削れたHPをルカリオの剣舞しんそくで抜ききるという感じです。

 今回の大会では潰しパが多かったのでコンセプト通りに動くことが多く、残機を残したまま全抜きすることが多々ありました。それが決勝に残れた最大の理由だと思います。

【elionコメント】
 初手ラグでステロを撒き、ハピヨノワで特殊と物理を流し、削りが入った終盤に剣舞ルカリオで全抜きを目指すという流しパです。個人的には流しパでこの成績は立派だと思います。予選の成績も優秀でした。

 初手ラグはボーマンダと当たる可能性が高いので冷凍ビームを持たせるのは個人的には大賛成です。相手の初手ギャラドスに対して不利になるのは仕方ないので、後出しできるギャラ受けを用意しておくのも重要です。あまりいないものの、初手ゴウカザルに草結びが入っていると一気に不利になる構成ではありますが、多くの初手ゴウカザルがタスキステロorスカーフとんぼなのでそれほど気にしなくても良いでしょう。

 打ち合いにはスカーフ猿、スターミー、神速ルカリオに加えてかげうちヨノワがいるのでそれほど弱くありません。ただし、ハピナスの技がハッサムグロスに完全に起点にされてしまう構成なので、大文字を恐れずに出てくる鋼には手を焼きそうです。仮に電磁波が入ってもハチマキ思念やハチマキとんぼが飛んで来れば無傷では済まないでしょう。

 物理はヨノワに任せるという構成のようですが、再生回復でない以上ヨノワが落ちる速度もそれなりに早そうで、あっという間に打ち合いになることもあるのではないかと思います。

 流しパといえど拘り持ちが2体いるのは個人的には好感が持てます。しかし拘りでは後半の立ち回りが難しい事も考えられ、ルカリオをどれだけ温存できるかがカギを握っているように見えます。

2010年4月11日日曜日

30、パーティー紹介 のあさん

優勝したのあさんのパーティーです。

【ボーマンダ 控えめ スカーフ】
【流星群 竜の波動 大文字 ドロポン】
【特攻252 素早さ252 HP4】

【ギャラドス 意地っ張り ヨロギ】
【滝登り エッジ 地震 電磁波】
【攻撃252 素早さ調整 残りHP】

【サンダース 臆病 食べ残し】
【10万ボルト めざパ氷 身代わり バトンタッチ】
【特攻252 素早さ調整 残りHP】

【ヘラクロス 意地っ張り ハチマキ】
【インファイト メガホーン エッジ 寝言】
【攻撃252 HP252 素早さ4】

【メタグロス 意地っ張り イバン】
【コメパン 地震 ステロ 大爆発】
【攻撃252 素早さ調整 残りHP】

【シャワーズ 腕白 オボン】
【波乗り 冷凍 願い事 欠伸】
【HP252 防御252 素早さ4】

【バトルビデオNo.】96-00890-87607

【パーティ説明】
 流し性能を重視した潰し寄りの流しパです。ギャラ・グロス・ヘラなどは素早さに振ることも考えられますが流しを意識してほとんどHPに振っています。

 先発はボーマンダでタイマン性能を上げるためにスカーフを持たせており、スカーフを持たせると二刀にするメリットが薄れるので特殊一本に絞っています。基本は流星群を逃げ打ちし、流星群を打ったら必ず引くようにしています。

 ギャラは流しを重視した構成になっています。地面や格闘の物理アタッカーを起点にし、電磁波を撒いたり潰せると判断したらそのまま潰しに行きます。うちのパは鈍足ポケが何体かいますので、電磁波を撒くことで味方が非常に動きやすくなります。地面や格闘はエッジ装備も多いのでヨロギのみを持たせており、ルカリオやギャラのエッジを耐えて逆に潰しにいくといった場面もありました。

 メタグロスは上2体の弱点である岩、ドラゴンタイプの流しです。コメパンは水タイプで簡単に受かるので序盤はステロを撒き、それ以降は大爆発で1対1交換を狙います。持ち物はイバンのみを持たせており耐久力も高くステロも合わせてダメージの調整がしやすいのでイバン爆発が決まる場面もありました。

 サンダースはサポート寄りの構成でギャラドスやメタグロス止まりやすい水タイプに出していきます。序盤は身代わりバトンから味方に繋ぎ、終盤は高い素早さから殴りあいます。

 シャワーズもサンダースと同じくサポート要員です。自身から殴りにいくことはほとんどなく、願い事や欠伸からの味方の無償降臨を狙います。また、特性貯水は非常に便利で拘ったスターミーなどのドロポンを受けにいくという場面も多々ありました。

 最後はヘラクロスでおそらく現環境で初手から最も決定力の出せる物理アタッカーではないかと思います。ハチマキインファイトはエアームドすら2確で半減なしには受け切れません。なるべく場に出したいため努力値は素早さではなくHPに振っており、サンダースの身代わりバトンやシャワーズの願い事でさらに回数を稼いでいます。受けきれない火力を叩き出せるので基本的にこいつを場に出す度に相手のポケモンを一体持っていきます。

 全体として若干ステロが痛いパですが、最近はステロを撒かないパも多くなんとかなっています。また、このパは先制技や積み技もないですし遅めのポケモンが多いので終盤の打ち合い能力が非常に低いです。そのため、序盤から中盤にかけていかにアドバンテージをとるかが重要になってきます。

 今回特に意識したことは「相手のポケモンを素早く把握すること」そして「こちらのポケモンを把握されないこと」です。序盤から確実にアドバンテージをとり、そのまま情報量の差で終盤の作戦勝ちを狙います。流しを意識した構成ですので序盤の立ち回りはほとんど有利に進められ相手のポケモンを把握することには困りませんでした。このようなパの構成に沿った作戦が、今回いい結果を残せたのではないかなと思います。

【elionコメント】
 今大会ではスカーフボーマンダがやはり多かったです。ボーマンダの素早さは最速ヘラクロス抜き以上は確保する必要がありますが、これだけボーマンダが多い以上、無邪気最速にするのが最善の選択だと思います。

 メタグロスが入っていますが、先発マンダにエッジ、流星群が飛んでくることが多いでしょうから、初手からグロスに交換という選択肢も大いにあったことと思います。

 唯一シャワーズが受けとして入っているよく見る形の潰し5受け1の構成です。シャワーズはソーナンスに捕まってしまいますが、あくびで対処していたのでしょうか。シャワーズは技スペースが厳しく、めざ電を入れられない事がありますが、これだとギャラドスの身代わりが割れなくて困ることもあるはずです。

 全体としてタイプのバランスが良く、全員が起点を持つポケモンなので後出ししやすかったのではないでしょうか。気になるのはギャラマンダの2体がステロ2倍な点ですが、短期決戦ならそれほど気にならないかもしれません。特にスカーフマンダはHPが1ポイントだけ残っていれば十分活躍できるので、下手にスピンを入れようとしなかったのは正解だったと思います。

 打ち合い性能としてはスカーフマンダ、サンダースのみが強く、残りは鈍足で先制技がありません。これはつまりのあさんが終盤の打ち合いに持ち込まれる前に優勢を築くことに成功した事の裏返しで、起点を重視した構築によって序盤から中盤にかけてアドバンテージを取ることができたという事になります。

 6on6の構築は以前の記事で紹介した通り「序盤、中盤、打ち合い」といった3つの段階を意識して行う必要がありますが、今回の結果はこの中でも序盤、中盤がより重要という事を示唆しているのかもしれません。

2010年4月10日土曜日

29、elion杯決勝

 決勝の解説を簡単に行います。残機数はのあさん視点で、ダメージのパーセンテージは累計ダメージ量を示しています。

バトルビデオNo.
のあ視点 96-00890-87607
slake視点 80-72624-84861

 ボーマンダvsラグラージの初手はよくある組み合わせかと思いますが、これはボーマンダ不利の組み合わせなので引っ込める方が無難でしょう。スカーフマンダはストッパーになったりパーティーの重要なポジションを占める事が多いので、最初から捨てるのはもったいない。

流星群70% 冷凍ビーム100% のあマンダ死亡5-6

 死にだしヘラクロスvsラグラージの勝負。ヘラクロスはハチマキ持ちと考えるとエッジorインファイトの読みあいで、slakeさんはうまくやればチャンスの場面。ヘラクロスはギャラマンダを呼ぶことが多いので一発目はエッジを選択する人が多いですが、のあさんもその通りでした。

ラグ交換ヨノワール エッジ30%

 結果的にはここでラグラージが押していれば形勢は大きく傾きました。ラグがイバンを持っていたため温存したかったのでしょうが、マンダとの1対1交換で元が取れているのだから、捨てていく選択肢もあったでしょう。エッジを半減で耐え、激流ドロポンでヘラを持って行けばHPはイバン圏内に入り、ラグ1匹で3匹抜きまで見える所でした。

エッジ60% 雷パンチ急所50%

 のあさんは押すしかないのでエッジ連打。ヨノワールは雷パンチで削りに来ました。

ヨノワ交換ラグ エッジ90%

 結局こだわりを見切ったslakeさんがラグを戻してイバン発動させます。

イバンステロ エッジ100% slakeラグ死亡5-5

 死にだしルカリオvsヘラクロス。エッジでこだわっているのでヘラは引っ込むしかありません。

ヘラ交換ギャラドス 剣舞

神速80% 地震100% slakeルカリオ死亡5-4

 あっという間にルカリオを失ってしまいました。これを思えばルカリオは剣舞でなくインファイト打ち逃げすべきだったでしょう。むしろ、ヘラクロスを流すのにルカリオでなくスターミーやゴウカザルといった他の素早いポケモンを使うべきだったかもしれません。slakeさんのパーティーは流しを重視して最後にルカリオで全抜きを狙う構成でしょうから、ここでルカリオを捨てたのは致命的でした。

 死にだしスターミーvsギャラドス。スターミーが何を撃ってもギャラドスは一撃なので、のあさん側は下手に交換しないで捨てるのが自然でしょう。

ドロポン100% のあギャラドス死亡4-4

 死にだしサンダースvsスターミー。よくある有利対峙で、サンダース側は身代わり、バトン、10万と3つの選択肢があります。

スターミー交換ハピナス 10万ボルト20%

身代わり 冷凍ビーム25%

サンダースバトンメタグロス 冷凍ビーム20%

 直に10万ボルトを打ちましたが、ハピに受けられました。そして身代わりを割る交換の後にバトンタッチでグロスにつなげる展開。どうという事のない押収ですが、この間にのあさん側は「サンダースvsスターミーの有利対峙」「サンダースのHP25%」「グロスのHP20%」を失っています。このように、すでに場にステロが撒かれている状態でハピナスにぴったり止められる状態というのはHPの消耗が激しく、潰しパとしては好ましい展開ではありません。

コメットパンチ急所100% slakeハピナス死亡4-3

 ここで勝負の流れが決定付けられたたかと思います。メタグロスはアームハンマーを持っていない限りハピナスを一撃で持って行けませんから、麻痺が入るとタマゴ産みで粘られてしまう事があります。電磁波+タマゴ産みで粘らせないためには鋼プレートや珠を持たせてコメットバレット、思念バレットで削りきる努力が必要です。のちにメタグロスが残るのですが、ここで麻痺が入っていれば今後の展開は大きく異なったでしょう。

 死にだしスターミーvsメタグロス。グロスのHPが残りすぎているのでスターミー側のドロポンが見え見えになっており、のあさんは安心してシャワーズを出して行けたでしょう。

メタグロス交換シャワーズ ハイドロポンプ0%

スターミー交換ヨノワール 願い事

シャワーズ交換ヘラクロス 鬼火

かげうち60% メガホーン100% slakeヨノワール死亡 4-2

 10万ボルトを持っているスターミーにシャワーズを後出ししていくのは違和感があるかも知れませんが、この時点でslakeさん側はスカーフもメガネも見えていませんので、こだわり読みでシャワーズを出していくのは普通のプレイングでしょう。仮に10万をもらっても一撃死はしないので、サンダースで受け直せば良いのです。
 一方、slakeさん側は仕方ないにしても願い事からヘラクロスに繋がれ、しかも鬼火が入ってしまうという最悪の展開になってしまいました。しかし、諦めても仕方ない状況からslakeさんは驚異的に粘ります。この後のプレイングは非常に面白かった。
 死にだしゴウカザルvsヘラクロス。この時点でslakeさんの手持ちはスカーフ猿とメガネスターミーの2体のみでしかもスターミーはこだわりスカーフorメガネがばれています。のあさんはサンダース、シャワーズ、メタグロス、ヘラクロスの4匹。

オーバーヒート100% のあヘラクロス死亡3-2

 ヘラクロスを残してもゴウカザルとスターミーに先制が取れないので捨てるのは自然でしょう。
 死にだしサンダースvsゴウカザル。

オーバーヒート80% 10万ボルト80%

 お互い押し合ってHPが約20%残りました。この時点でのあさんはスカーフ猿とメガネスターミーの持ち物構成がわかったでしょう。ところで、サンダースの10万ボルトではゴウカザルを確一できないのは覚えておくと良い情報です。インファイトで特防が下がっている場合のみ確一になります。

サンダース交換シャワーズ オーバーヒート20%

 猛火発動でダースが死んでは困るので当然の交換。ゴウカザルの特攻はこの時点ですでに-6ですが、次のターンのslakeさんの動きが素晴らしい。

シャワーズ交換サンダース オーバーヒート98%

 ゴウカザルvsシャワーズの不利対峙、しかもオーバーヒートでこだわっている状態ですから普通はゴウカザルを引っ込める事を考えます。しかしここで交換を読んでシャワーズに向かってオーバーヒート-6をぶっ放していったのには驚かされました。結果的にサンダースのHPが残ってしまったのですが、素晴らしいプレイングです。

サンダース交換シャワーズ オーバーヒート30%

 結局5発連続でオーバーヒートを打つことになったのですが、サンダースはもはやステロ圏内なので場に出ることは出来なくなりました。これはすなわちスターミーの10万ボルトがグロスとシャワーズに一貫してくる事を意味するので、slakeさんにも勝機が生まれました。

ゴウカザル交換スターミー 波乗り30%

 ここが最後の勝負どころです。スターミーの10万ボルトはグロスとシャワーズに一貫していますが、グロスのHPが80%ほど残っているため10万では2発必要です。スターミーとグロスが無償で対峙することになればのあさんが有利、スターミーとシャワーズが無償で対峙すればslakeさん有利という状況でした。

シャワーズ交換サンダースステロで死亡 10万ボルト不発 のあサンダース死亡2-2

 このように、サンダースを無駄死にさせることでスターミーの10万ボルトを縛り、メタグロスを無償降臨させることになり、勝負が決しました。ここでサンダースの交換を読んでslakeさんがゴウカザルに交換していれば、勝負はわからなかったでしょう。

 死にだしメタグロスvsスターミー。以降は急所が出ない限り逆転の可能性はありません。

 初手の応酬でリードしたslakeさんでしたが、ルカリオの早死にとハピナスの急所死からは常にのあさん有利の戦いでした。それでもあきらめずに最後の読みあいに持ち込んだのは立派でした。決勝戦らしく、レベルの高い読み合いが繰り広げられ、最後も1-0と僅差だったのは実力が拮抗していたからこそでしょう。