2010年4月10日土曜日

29、elion杯決勝

 決勝の解説を簡単に行います。残機数はのあさん視点で、ダメージのパーセンテージは累計ダメージ量を示しています。

バトルビデオNo.
のあ視点 96-00890-87607
slake視点 80-72624-84861

 ボーマンダvsラグラージの初手はよくある組み合わせかと思いますが、これはボーマンダ不利の組み合わせなので引っ込める方が無難でしょう。スカーフマンダはストッパーになったりパーティーの重要なポジションを占める事が多いので、最初から捨てるのはもったいない。

流星群70% 冷凍ビーム100% のあマンダ死亡5-6

 死にだしヘラクロスvsラグラージの勝負。ヘラクロスはハチマキ持ちと考えるとエッジorインファイトの読みあいで、slakeさんはうまくやればチャンスの場面。ヘラクロスはギャラマンダを呼ぶことが多いので一発目はエッジを選択する人が多いですが、のあさんもその通りでした。

ラグ交換ヨノワール エッジ30%

 結果的にはここでラグラージが押していれば形勢は大きく傾きました。ラグがイバンを持っていたため温存したかったのでしょうが、マンダとの1対1交換で元が取れているのだから、捨てていく選択肢もあったでしょう。エッジを半減で耐え、激流ドロポンでヘラを持って行けばHPはイバン圏内に入り、ラグ1匹で3匹抜きまで見える所でした。

エッジ60% 雷パンチ急所50%

 のあさんは押すしかないのでエッジ連打。ヨノワールは雷パンチで削りに来ました。

ヨノワ交換ラグ エッジ90%

 結局こだわりを見切ったslakeさんがラグを戻してイバン発動させます。

イバンステロ エッジ100% slakeラグ死亡5-5

 死にだしルカリオvsヘラクロス。エッジでこだわっているのでヘラは引っ込むしかありません。

ヘラ交換ギャラドス 剣舞

神速80% 地震100% slakeルカリオ死亡5-4

 あっという間にルカリオを失ってしまいました。これを思えばルカリオは剣舞でなくインファイト打ち逃げすべきだったでしょう。むしろ、ヘラクロスを流すのにルカリオでなくスターミーやゴウカザルといった他の素早いポケモンを使うべきだったかもしれません。slakeさんのパーティーは流しを重視して最後にルカリオで全抜きを狙う構成でしょうから、ここでルカリオを捨てたのは致命的でした。

 死にだしスターミーvsギャラドス。スターミーが何を撃ってもギャラドスは一撃なので、のあさん側は下手に交換しないで捨てるのが自然でしょう。

ドロポン100% のあギャラドス死亡4-4

 死にだしサンダースvsスターミー。よくある有利対峙で、サンダース側は身代わり、バトン、10万と3つの選択肢があります。

スターミー交換ハピナス 10万ボルト20%

身代わり 冷凍ビーム25%

サンダースバトンメタグロス 冷凍ビーム20%

 直に10万ボルトを打ちましたが、ハピに受けられました。そして身代わりを割る交換の後にバトンタッチでグロスにつなげる展開。どうという事のない押収ですが、この間にのあさん側は「サンダースvsスターミーの有利対峙」「サンダースのHP25%」「グロスのHP20%」を失っています。このように、すでに場にステロが撒かれている状態でハピナスにぴったり止められる状態というのはHPの消耗が激しく、潰しパとしては好ましい展開ではありません。

コメットパンチ急所100% slakeハピナス死亡4-3

 ここで勝負の流れが決定付けられたたかと思います。メタグロスはアームハンマーを持っていない限りハピナスを一撃で持って行けませんから、麻痺が入るとタマゴ産みで粘られてしまう事があります。電磁波+タマゴ産みで粘らせないためには鋼プレートや珠を持たせてコメットバレット、思念バレットで削りきる努力が必要です。のちにメタグロスが残るのですが、ここで麻痺が入っていれば今後の展開は大きく異なったでしょう。

 死にだしスターミーvsメタグロス。グロスのHPが残りすぎているのでスターミー側のドロポンが見え見えになっており、のあさんは安心してシャワーズを出して行けたでしょう。

メタグロス交換シャワーズ ハイドロポンプ0%

スターミー交換ヨノワール 願い事

シャワーズ交換ヘラクロス 鬼火

かげうち60% メガホーン100% slakeヨノワール死亡 4-2

 10万ボルトを持っているスターミーにシャワーズを後出ししていくのは違和感があるかも知れませんが、この時点でslakeさん側はスカーフもメガネも見えていませんので、こだわり読みでシャワーズを出していくのは普通のプレイングでしょう。仮に10万をもらっても一撃死はしないので、サンダースで受け直せば良いのです。
 一方、slakeさん側は仕方ないにしても願い事からヘラクロスに繋がれ、しかも鬼火が入ってしまうという最悪の展開になってしまいました。しかし、諦めても仕方ない状況からslakeさんは驚異的に粘ります。この後のプレイングは非常に面白かった。
 死にだしゴウカザルvsヘラクロス。この時点でslakeさんの手持ちはスカーフ猿とメガネスターミーの2体のみでしかもスターミーはこだわりスカーフorメガネがばれています。のあさんはサンダース、シャワーズ、メタグロス、ヘラクロスの4匹。

オーバーヒート100% のあヘラクロス死亡3-2

 ヘラクロスを残してもゴウカザルとスターミーに先制が取れないので捨てるのは自然でしょう。
 死にだしサンダースvsゴウカザル。

オーバーヒート80% 10万ボルト80%

 お互い押し合ってHPが約20%残りました。この時点でのあさんはスカーフ猿とメガネスターミーの持ち物構成がわかったでしょう。ところで、サンダースの10万ボルトではゴウカザルを確一できないのは覚えておくと良い情報です。インファイトで特防が下がっている場合のみ確一になります。

サンダース交換シャワーズ オーバーヒート20%

 猛火発動でダースが死んでは困るので当然の交換。ゴウカザルの特攻はこの時点ですでに-6ですが、次のターンのslakeさんの動きが素晴らしい。

シャワーズ交換サンダース オーバーヒート98%

 ゴウカザルvsシャワーズの不利対峙、しかもオーバーヒートでこだわっている状態ですから普通はゴウカザルを引っ込める事を考えます。しかしここで交換を読んでシャワーズに向かってオーバーヒート-6をぶっ放していったのには驚かされました。結果的にサンダースのHPが残ってしまったのですが、素晴らしいプレイングです。

サンダース交換シャワーズ オーバーヒート30%

 結局5発連続でオーバーヒートを打つことになったのですが、サンダースはもはやステロ圏内なので場に出ることは出来なくなりました。これはすなわちスターミーの10万ボルトがグロスとシャワーズに一貫してくる事を意味するので、slakeさんにも勝機が生まれました。

ゴウカザル交換スターミー 波乗り30%

 ここが最後の勝負どころです。スターミーの10万ボルトはグロスとシャワーズに一貫していますが、グロスのHPが80%ほど残っているため10万では2発必要です。スターミーとグロスが無償で対峙することになればのあさんが有利、スターミーとシャワーズが無償で対峙すればslakeさん有利という状況でした。

シャワーズ交換サンダースステロで死亡 10万ボルト不発 のあサンダース死亡2-2

 このように、サンダースを無駄死にさせることでスターミーの10万ボルトを縛り、メタグロスを無償降臨させることになり、勝負が決しました。ここでサンダースの交換を読んでslakeさんがゴウカザルに交換していれば、勝負はわからなかったでしょう。

 死にだしメタグロスvsスターミー。以降は急所が出ない限り逆転の可能性はありません。

 初手の応酬でリードしたslakeさんでしたが、ルカリオの早死にとハピナスの急所死からは常にのあさん有利の戦いでした。それでもあきらめずに最後の読みあいに持ち込んだのは立派でした。決勝戦らしく、レベルの高い読み合いが繰り広げられ、最後も1-0と僅差だったのは実力が拮抗していたからこそでしょう。

2 件のコメント:

  1. こちらでも思ったことをいくつか。

    初手ボーマンダvsラグラージの場面ですが、冷凍ビーム持ちではない可能性があったため流星群で押しました。もう一つ、こちらにはめざパ草を持っていないダースがおりラグで完全に止まるため出来る限りラグのHPは削っておきたいというのがあります。ここの賭けに成功すれば大幅にアドバンテージが取れるのでこのパではvsラグの場合はいつも流星で押しています。

    また、最後のメタグロスvsスターミーの場面ですが、こちら側からみれば実はまだお互いに五分の状況です。こちらは大爆発を選択しましたが、ここでサルに交換されると残るはシャワーズvsスターミーの状況で負けてしまいます。ゴウカザルに交換を読むなら地震ですが、スターミーに居座られてしまった場合はバレパンがないので地震を耐えられグロスがやられて負けてしまいます。実際に大爆発を読まれてサルに交換られていたら負けていましたが相手からすればバレパンや大爆発持ちなのかがわからないため、実際には有利な読み合いだったと思います。

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  2. 初手でラグがステロを撒いてくる確率は僕の経験的にもほぼ100%ですが、僕はこの点に常々違和感を覚えていました。slakeさんが冷凍を仕込んでいたのは僕と同じ発想で、「マンダを倒せるならステロなしでも1戦やれる」という事でしょう。

    ほとんどの人がステロを撒いてくる以上、のあさんが流星で押した判断は間違っていないと思います。マンダを1対1以上の効率で倒したslakeさんが初手で有利に立ったのは間違いないでしょうが。

    メタグロスvsスターミーは地震で押しきれると思っていましたが、ダメージ計算をしてみると54-64%なんですね。そうなると確かに五分の状況だったようです。技の見えなさから言って心理的にはslakeさん側になりたいとは思いませんが、冷静に考えると

    ⅰ)グロスが地震&バレパンの場合
    100%のあさんの勝ち

    ⅱ)グロスが雷パンチの場合
    スターミー居座りでのあさんの勝ち
    ゴウカザル交換で五分の読みあい

    ⅲ)グロスが大爆発の場合
    スターミー居座りでのあさんの勝ち
    ゴウカザル交換でslakeさんの勝ち

    ⅳ)グロスが地震or思念の場合
    スターミー居座りでslakeさんの勝ち
    ゴウカザル交換でのあさんの勝ち

    といったところでしょうか。ⅰの場合はどうせ勝てないので、slakeさん側の意思決定はコメパン以外の3つの技を必死に想像することでしか決定できませんね。さすがにここまで来ると運任せになるのも仕方ない気がします。

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