2009年5月8日金曜日

10、無償降臨

 前回の記事では起点のある潰しは場に出しやすいため優先的に採用されるという話をした。

 では、耐久力がなく起点を持たないような潰しはどのように使えば良いのかというと、それはいわゆる無償降臨に頼るほかなくなってくる。

 無償降臨とはその名のとおり、こちらの潰しをダメージや状態異常技などを受けることなくタダで出していくことを指す。このような状況を作り出せる方法を以下に列挙する。

【とんぼがえり】
敵の交換を読んでとんぼがえり、もしくは後攻で一撃喰らってからのとんぼがえりによってエースを無償降臨させることができる。

【みがわり+バトンタッチ】
サンダースで有名なこのコンボだが、サンダース自身が場に出しにくいポケモンなので必ずしも良い方法とはいえない。シャワーズなどにバトンタッチだけを仕込んでおいて、後攻バトンタッチをすることで無償降臨を目指すという使い方もある。

【さいみんじゅつ、ねむりごな、キノコのほうし】
敵を眠らせた次のターンは、敵が寝言を持っていない限り安全にエースを交換出ししていくことができる。

【でんじは、あやしいひかり、いばる】
マヒ状態の敵は25%の確率で行動制限がかかるので、25%の確率で無償降臨ができる。ただし、これはかなり危険な方法といわざるを得ない。一方混乱状態の敵は50%の確率で行動制限がかかるので、賭けてみる価値は十分にある。筆者は以前ランターンででんじは+あやしいひかりを両方かける使い方をしていたことがあるが、麻痺と混乱が両方入っている相手に対してはかなり安全に交換出ししていくことが可能である。

【アンコール】
身代わりやりゅうのまい等にアンコが入れば後続のポケモンを安全に場に出していくことができる。フーディン、ワタッコ、ゴウカザル、ソーナンスなどが主な使い手。

【死に出し】
あまり推奨される方法ではないが、使い道のなくなったポケモンを一体切って死に出しでエースを出していくのはよく見かける。ただし、死に出しを前提にしたパーティー構築をするのではなく、他の無償降臨の方法を確保しつつも対戦時は臨機応変に死に出しも使っていくというのがあるべき姿である。

【先発】
無償降臨とは意味が違うが、交換出しが難しい潰しを先発に持ってくるという方法もありえる。ただし、先発にスカーフが多い環境では逆に一撃で潰されてしまう危険性もあるため、やはり他の無償降臨の方法を確保しておきたいところである。

 ざっと以上のようになる。こうやって見てみると無償降臨の方法というのはあまり多くなく、パーティー構築の際にエースをどのように無償降臨させるのかをしっかりと考えておかないと、せっかくのエースが活躍する場が得られないという事態に陥るのがわかる。

 昨今のハッサムの人気は後攻とんぼ返りからの無償降臨が容易なためと見ることもできる。また、ソーナンスの強さはひとたび場に出せば確実に一匹持って行くか、補助技アンコからの無償降臨が保証されている点だと言える。

 起点の持てる潰しは敵のパーティーに起点がいればいくらでも出していくことができるが、起点のない潰しを使っている人にとって、ハッサムやソーナンスをパに組み込むことは、それだけでエースの無償降臨の機会を増やすことにつながり、簡単にパの流れを良くすることができる。ヘラクロスやゴウカザルを使っているがなかなか活躍の場が得られない、という人は一度ハッサムやソーナンスをパに入れてみると面白いだろう。

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