2009年4月30日木曜日

4、ギャラドス受け

 エンペルト・キングドラとギャラドスは物理特殊の違いがあり、同様には受けられない。しかも、ギャラドスはおそらく現在の6on6の環境で最も良く見るポケモンであるので、その対策は潰しパを構築する上でも決して欠かすことはできない。筆者はポケモンを初めて間もない頃に、残り1匹対6匹の状態から竜舞ギャラドスに全抜きされた経験があるが、6on6をやっている人ならばギャラドスの危険性は十分に認識している事だろう。以下ではギャラドスを安定して受けられるポケモンを考察する。

 ギャラドスの型は大きく分けて二つ。竜舞挑発型と物理受け型である。前者は滝登り+エッジorじしんorおんがえしという技構成が多く、後者にはねむるやでんじはが入っている可能性が高い。よって、メインウェポンの滝登りを竜舞1舞後でも受けられつつ、サブウェポンでも抜群を取られないようなポケモンが対策となりえる。また、ギャラドスは電気が4倍弱点なので、対策としてはめざパ電気を仕込むだけで比較的簡単に処理できる。

【ギャラドス受け】
ヌオー、水地面族、エンペルト(シュカ持ち)、ルンパッパ、ニョロボン、ヤドラン、シャワーズ、ミロカロス、ビーダル(天然)、ドクロッグ(地震なし限定)

マタドガス、ヨノワール、モジャンボ、キノガッサ、ポリゴン2(トレース)、ジーランス

 以上が候補となる。ギャラドスは技の選択肢が限られているため、結構止まり易い。ただ、場合によっては竜舞滝登りだけで6人抜きすら可能にするポテンシャルを秘めているので、止まり易いからといってノーケアでは痛い目にあう。前回の記事と同様に、上記のポケモンに持たせられる他の役割を列挙すると

ヌオー 電気受け、一部水受け
ラグラージ等 電気受け
エンペルト 水受け、ボーマンダ受け、潰し
ルンパッパ 水受け
ヤドラン カイリキー受け、ゴウカザル受け、瞑想アタッカー
シャワーズ 水受け、ゴウカザル受け
ミロカロス 水受け、ゴウカザル受け

ヨノワール トリックルーム
モジャンボ 晴れアタッカー
キノガッサ キノコの胞子
ジーランス 潰し

 といったところである。ギャラドスに対して後出ししていけるポケモンがパにいないと本当に厄介なので、ギャラドスの対策はしっかり行うことをお勧めする。

2009年4月29日水曜日

3、水受けと電気受け

 潰しパにおける受けの優先順位は基本的に素早さに依存する。こちらより素早いポケモンは何もする暇もなくやられてしまう可能性が高いためだ。逆に、どんなに重火力でも足が遅いポケモンにはいくらでも対処のしようがある。6on6において、素早さが高く、パに対応できるポケモンを入れておかないと困るポケモンとは

エンペルト 130族抜き高速移動みがヤタ
キングドラ すいすい
ギャラドス 竜舞
サンダース 130族
エレキブル エンジン発動130族抜き調整

 の5体である。そう、今回の題名の水受けと電気受けは、潰しパを構成する上でかなり優先度の高い対策なのである。死に出しでエンペルトを切り出されたときに、適切な受けをパに組み込んでおかないと高速移動からあっという間に大惨事になる事は6on6をやっていればみんな知らず知らずのうちに理解していることであろう。

 いろいろ考えて見れば分かることだが、水受けと電気受けを1匹で完全に両立するのはほぼ不可能と言ってよい。以下に考察を示す。

【水受け】
 水受けの対象は今回はエンペルトとキングドラとする。ギャラドスについては次回の記事に別に考察をまとめる。
 まず、草タイプと水タイプが水攻撃に対して耐性を持つが、草ポケモンは水のサブウェポンの冷凍ビームも受けることを考えると氷等倍であることが望ましい。これらを満たすのは

草  ユキノオー、ルンパッパ
水  エンペルト、キングドラ 潰し系
   ドククラゲ、ヤドキング、ランターン、ミロカロス 特殊受け系
   マンタイン、ヌオー、ニョロボン、ニョロトノ、シャワーズ、ラプラス 貯水系

 である。実は筆者は以前ランターンに電気受けと水受けを任せた潰しパを使っていたのだが、ランターンがエレキブルを受けられない、つまり電気受けの役割を果たせないことに気がつき、このような考察をしようと思い至ったわけである。

【電気受け】
 草、地面、電気自身が電気攻撃に対して耐性を持つが、電気のサブウェポンはめざパ氷と相場が決まっているので、草と地面といえども安定して受けるには氷等倍でないとならない。これらを満たすのは

草  ユキノオー
地面 バクーダ、マンムー、ハガネール、ヌオー、ラグラージ、トリトドン、ナマズン
電気 ランターン、エレキブル

 くらいのものである。なんと、電気を完全に受けられるポケモンは意外に少ないのである。エレキブルは相手のエレキブルに交換出ししていくのは身代わりを張られる可能性を考えると安定しない。さらに、ユキノオーはエレキブルの火炎放射に弱いため、これも安定とは言えない。あまり見ないがライボルトなどはオーバーヒートを確実に持っているので、炎弱点を持つのは電気受けとしては望ましくない。安定性を考えると本当の意味での電気受けは

地面 ヌオー、ラグラージ、トリトドン、ナマズン

 の4体しか存在しない。マンムーとハガネールはサンダースには負けないが、エレキブルやライボルトには安定しない。
 電気を受けられるポケモンがこんなにも少ないなんて調べてみるまでわからなかったが、それもこれもエレキブルという電気ポケモンのくせに電気らしくない技をたくさん覚える(じしん、火炎放射、クロスチョップ、冷凍パンチなど)バランス破壊モンスターの存在が原因である。

 パに水受けと電気受けを入れるとなると、上記のポケモンをそれぞれ一匹ずつチョイスし、それにさらにいくつかの役割を持たせなくてはならない。単なる電気受け、単なる水受けしか役割をもてないようなポケモンは入れているスペースはない。そこで、上記のポケモンに持たせられる他の役割を列挙してみる。

【水受け】
ユキノオー 二刀流アタッカー、雪降らし
ルンパッパ 雨受け
エンペルト シュカ冷凍ビームでボーマンダ、ガブリアス受け、キッス受け、潰し
キングドラ 炎受け、雨アタッカー
ドククラゲ ゴウカザル受け、ハッサム受け、剣舞アタッカー
ヤドキング ゴウカザル受け、ボーマンダ受け、カイリキー受け、瞑想アタッカー、トリックルーム
ランターン エレキブル以外の電気受け、キッス受け
ミロカロス ゴウカザル受け、ギャラ受け
マンタイン ボーマンダ受け
ニョロボン 岩、悪、虫半減
シャワーズ ゴウカザル受け、ギャラ受け
ラプラス  絶対零度

【電気受け】
ヌオー ギャラ受け、一部の水受け、メタグロス受け
トリトドン ゴウカザル受け、ボーマンダ受け、メタグロス受け
ハガネール 大爆発による役割破壊、鋼による一部の物理受け
エレキブル 潰し

 ざっとこんなものであろう。潰しパを組む上では、以上のような電気受けと水受けの各ポケモンの特徴を良くつかみ、自分の潰しポケモンで対処できない部分はできるだけカバーするようにポケモンを選択する必要がある。

2009年4月28日火曜日

2、潰しパにおける受けの必要性

 さて、潰しパを構築するにあたり考えなくてはいけない要素は大きく分けて2点。「誰を潰しにするか」と「誰を受けなくてはいけないか」である。

 やってみればわかるが、何も考えずに潰しを6体入れたような初心者パーティーはこれでもかというくらいいとも簡単に負ける。それは敵のポケモンとこちらのポケモンの相性が悪くて潰し切れない場合に、交換する先のポケモンがいないためである。例えば、こちらのゴウカザルの前にスターミーが死に出しで出てきた時、放っておけばゴウカザルはなみのりやサイコキネシスで一撃で落とされてしまうが、こちらの控えにこれらの技を喰らって生きていられる奴がいなかった場合、非常に困ったことになる。冗談のように感じるかもしれないが、適当な潰しパを構築するとこのような場面に遭遇して困ることが本当にありえる。 控えに自慢のガブリアスやらカイリキーやらヘラクロスがいようと、この状態からでは出すチャンスがなく、全員一撃死をもらってしまうことが大いに考えられる。 潰しポケモンの登場機会が死に出ししかないようなパでは勝率は上がらないのだ。

 すると、いかに潰しパと言えども必要最低限の受けポケは必要になることがわかる。ただし、この受けポケの数を増やしてしまうとどうしても受けパ的になりがちなので、ここで考えるべきは本当にぎりぎりラインでの「こいつだけは受けなくちゃダメだ」というポケモンは誰かを探ることである。そして、そのぎりぎりラインのポケモン達を、できるだけ少ない枚数で受けてやることで、潰しに割けるポケモンの数を増やすことができる。  さらに言うと、潰しの中には特殊な例がいて、ここで言う「受けなくちゃダメなポケモン」を、交換出しから受けつつも潰しとしての機能を遂行できる類のものがいる。これは一般的に流しと呼ばれるような役割に近いかもしれないが、受けの枚数を最低限に抑えながら潰しを増やしたい状況で、このようなポケモンは優先的に採用してやる必要がある。

 それでは早速、「受けなくちゃダメなポケモン」を探っていくことにする。  潰しパにおいて、どうしても受けなくてはならないポケモン、それはまさに相手の潰しポケモンである。こちらの潰しよりも素早い潰し、相性の悪い潰しなどと遭遇したときにどう立ち回るかが非常に重要になってくる。考えられるだけ列挙すると


 などである。他にもアタッカーはたくさんいるが、全て挙げているときりがないのでとりあえずメジャーどころを抑えてみた。

 受けパにおいてはこれらのポケモンを何重にもカバーして受けを成立させれば良いが、潰しパではそんな余裕はない。できるだけ少ない枚数で幅広くカバーできるような体制を築かなくてはならない。

 以降の章ではさらに個別に受けポケモンについて考察する。

2009年4月27日月曜日

1、受けパと潰しパ

 6on6のパーティーを考える時、大方のパーティーは受けパと潰しパに分けられる。

 受けパとはパーティーの5体前後を受けポケモンに裂き、ステルスロックをはじめとする定数ダメージや自己再生などの長期戦を意識した技を駆使して時間を稼ぎ、ダメージの蓄積した敵を徐々に崩していくパを指す。

 潰しパとはパーティーに受けポケモンをほとんど入れず、潰しポケモンをどんどん当てていくことによって敵の受けを崩し、短期戦で決着をつけるパを指す。

 受けパの受けポケモンを流し気味に使用するパは流しパと分類することもできるが、本質は受けパと同様である。また、ソーダグは一種のハメパであるが、構成ポケモンを見る限り完全な潰しパであり、最も成功している潰しパと言えるかもしれない。また、バトンタッチを使用したコンボパは別に分類するべきものかもしれないがここでは触れない。 まず、受けパと潰しパの特徴についてまとめてみる。

【受けパの特徴】
・ステルスロック、まきびし、どくびし、砂嵐等の定数ダメージを利用
・高速スピンの採用率も高い
・食べ残し、黒いヘドロ、カゴのみ、オボンのみなどの回復系アイテムを多用
・自己再生、なまけるなどの再生回復が重要な技となっている
・物理、特殊の受けを5体ほどでカバーしあっているため、あるポケモンに対する受けが2枚以上いることが多い

【潰しパの特徴】
・定数ダメージを撒いている暇はほとんどなく、自動起動の砂嵐や霰以外の定数ダメージはあまり利用しない
・高速スピンはまず使用しない
・こだわりハチマキ、いのちのたま、ヤタピのみ、こだわりスカーフなどの潰し力を底上げするアイテムを多用
・インファイト、ハイドロポンプなどの決定力のあるタイプ一致技が重要な技となっている
・加えて大文字やめざパ、二刀流などの手段で敵の受けを無理やり突破することが重要
・相性の悪いポケモンを出された場合、受けられないポケモンが存在しうる。また、ある1匹に受け性能を頼りすぎているために一体抜かれると止められなくなる事態がありえる

 現在の環境で受けパが安定していて強い理由は、「パを組みやすいため」だと考えられる。一通りの潰しを想像してそれらを安定して受けられるポケモンを集めてやれば、勝ちに行かなくても「負けない」パーティは構築する事ができる。

 それに対して潰しパは非常に「パが組みにくい」と言える。これは6on6におけるパーティー構築論が完成されていないためだが、簡単な例を挙げてみる。

 潰しのマンムーに対してエアームドを出されてしまったとき、吹雪を覚えていないマンムーは有効な手段が何もなくポケモン交換を余儀なくされる。この時受け側はステルスロックを撒いたりはねやすめをするなどの猶予が与えられる。仮にここでジバコイルを交換出ししたとする。次ターンに10万ボルトを打ってみたら綺麗な抜け殻で逃げられてハピナスを呼んでしまったらどうだろう。ジバコイルはまたもや引っ込むしかなくなるが、ここでハピナスは交換読みの天の恵みかみなり、でんじは等を打つことができる。 この2ターンの応酬を見ただけで、この潰しパはかなりのアドバンテージを失っているのがわかる。無条件のステルスロックに加えて一体麻痺を喰らってしまったら、潰しパの機能は一気に失われる。

 潰しパは潰しポケモンが受けにがっちり止められるような場面(上のマンムーとジバコイルのような例)が2回くらい現れると途端に劣勢になる。つまり「受けで止まるアタッカーは入れない」事が非常に重要になってくる。しかし、これが口で言うのは簡単だが非常に難しい。

 一方、受けパは組みやすいが弱点がないわけではない。例えばボーマンダとゴウカザルは型がわからないと誰で受ければ良いのか分からず、受け間違えるとあっという間に一匹持ってかれてしまう危険な存在である。また、はりきりハチマキキッスに対して特殊受けを出すと神速で一撃で落とされたりと、意表をついた攻撃から受けが落ちてしまうと負けコースに入ることがある。ポケモンの数はかなり多いため、たったの5匹やそこらでそれらを全て受けきるのは不可能に近く、どうしても「受け穴」が存在してしまうのが受けパの弱点であろう。

 本ブログでは負けない事を指向した受けパではなく、自ら勝ちを獲りに行く潰しパに重点を置いて研究を進める。

2009年4月26日日曜日

はじめに

 こんにちは、elionです。

 今までブログなんてやったことがなかったのですが、ポケモン対戦にハマり過ぎてしまった結果、このようなサイトを開設するに至りました。

 ポケモンブログはネット上に無数に存在し、多くのポケモンプレイヤーがそれらから情報を得て、対戦を楽しんでいると思います。しかし、その情報にはスタンダード毎にかなり偏りがあり、特に6on6をテーマにしたブログの数は限られています。

 ご存知のようにポケモン対戦のスタンダードには

6to3(見せ合いありシングル3-3)
3on3(見せ合いなしシングル3-3)
6on6(見せ合いなしシングル6-6)
6to4(見せ合いありダブルバトル)
4on4(見せ合いなしダブルバトル)

 などがあり、パーティー構築や戦術などはスタンダードによって劇的に変化します。基本的にポケモン対戦界で人口が多いのは3on3で、最近だと公式大会の6to4やその練習用の4on4も人気が出てきているようです。

 一方、私のやっている6on6は対戦に時間がかかることやパーティーを作るのが面倒なことなどから敬遠されがちで、上記のスタンダードの中では比較的人口が少ないような気がします。そして、競技人口が少ないためにこのような6on6専門のポケモンブログの数も少なく、その情報量は十分であるとは言えません。

 このブログでは既存のポケモンブログにないような6on6対戦のパーティー構築法について書いていきたいと思います。