2009年5月28日木曜日

15、ソーナンスの脅威

今回は非常に特殊なポケモン「ソーナンス」について扱ってみる。

 このポケモン、地味に見えるが実は非常に強力な特性「かげふみ」の持ち主であり、こいつの存在一つでポケモンの対戦環境がガラッと変わってしまうほどの影響力がある。

 まず最初に注意しておきたいのだが、ソーナンスの使用は対戦する場所によっては禁止されている事もあるので、自分が参加する大会やら掲示板のルールをよく読むようにしていただきたい。

 逆に言うと、ソーナンスの使用が許可されている対戦環境において、ソーナンスを無視したパーティー構築をすると痛い目に合う可能性が高いということでもある。たまにソーナンスを無視した構築をしておきながら、ソーナンスにパーティーを崩されて負けた人が「ナンスを使うのはマナー違反だ」と言って相手を非難しているのを見かけるが、そういう人はナンス禁止の掲示板で対戦すれば良いだけの話で、自分のパーティーに弱点があることを認めないのはそれこそ見ていて感じの良いものではない。

 ソーナンスの強さ、それは交換を禁じる特性「かげふみ」と、それを利用したアンコールからの敵の確殺もしくは無償降臨から来る。

 具体的には敵の受けポケモンに対してナンスを交換出ししていくと、その時点で相手の受けは交換ができなくなる。次ターンのアンコールで技を縛ることによってカウンターミラコによる受けの破壊、もしくは補助技アンコからのエースの無償降臨が保証される。単純だが、たったこれだけの仕事が多くのパーティーにとって非常に厄介なものとなるのだ。

 例えば、ドククラゲなどはソーナンスのカモにされやすい受けポケの代表格である。使ってみればわかるがHPと防御or特防に振って黒いヘドロを持たせたドククラゲというのは非常に堅く、ゴウカザルなども安定して受けることができるためとても使い勝手が良い。高速スピンや毒びしも覚えるので受けポケモンとしてはかなり優秀で、今もなお多くの人に使われている。しかし、その一方で攻撃系種族値が低いため、ひとたびナンスに出てこられると完全にカモにされてしまうという弱点がある。

 もちろん、ドククラゲがソーナンスに圧倒的に弱いかというとそういうわけでもない。クラゲに綺麗な抜け殻というソーナンスメタのアイテムを持たせてやれば、無条件で毒びしをまいた上にソーナンスに有利なポケモンを交換出ししていくことで逆にナンスを起点にすることもできる。

 このブログでは潰しポケモンを主体としたパーティー構築を推奨しているが、受けポケモンを主体としたパーティーというのはどうしてもソーナンスが弱点になりがちである。これはつまり、潰しパのパーティー構成員としてソーナンスを選択することは、相手の受けを無効化するという点で非常に有力であるということの裏返しでもある。

 潰しの選択肢として、今までの記事で二刀流、起点、とんぼ返りなどの視点などからポケモンを挙げてきたが、どの潰しポケモンを選択したにせよ基本的には潰しポケモンにはそれに対応するベストな受けポケモンというのが存在していて、「絶対に止まらない潰し」というのは実際にはボーマンダくらいしか存在しない。そして、以前の記事に書いたように潰しポケモンが受けで止まる状況というのは潰しパにとっては何よりも避けなくてはならない状況であるので、そういった「止まる受けポケ」を確実に起点にできるソーナンスは潰しパにとって非常に都合の良いポケモンなのである。

 例えば私は水受けにシャワーズを使っていた事があるが、持ち物は基本的に抜け殻を持たせていた。これは私のパーティーが水受けを完全にシャワーズに頼り切った構成をしていたため、万が一シャワーズがナンスに刈られるとエンペグドラが受けられなくなり、一瞬で負けが確定してしまうという理由からだった。

 よく対戦で見かけるハピナス、ミロカロス、シャワーズ、ドククラゲなどに食べ残しや黒いヘドロを持たせている人はナンスを仮想敵としていないのだろうが、私はいわゆる「ソーダグ」に対する抵抗のないパは現在の環境では望ましくないと考えている。こういった水受けに食べ残しを持たせる事は、確定数をずらすなどのメリットがあるが、一方でナンスに刈られるデメリットもあるという事を意識しなくてはならない。特にハピナスやミロカロスなどの耐久は食べ残しを持たなくても仮想敵を受けきるのに十分なものであるので、何も考えずに食べ残しを持たせるのは考え物である。

 ソーナンスに対する対策としては、最も狩られたくないポケモンに抜け殻を持たせるのが最も手っ取り早い方法である。ハピに抜け殻を持たせるだけで純粋なソーダグパはほとんど機能しなくなる。抜け殻の代わりにバトンタッチやとんぼ返りを取り入れても良い。また、パーティーに明確な受けのいない構成を作り、誰でもナンスに大ダメージを狙えるようにすることでナンスをせいぜい1回しか場に出せないようにすることも立派な対策である。ナンスの耐久力は異常なので、基本は1対1交換で処理することになるだろう。

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