2009年5月2日土曜日

6、特定受けと広範囲受け

 ポケモン対戦を初めてしたとき、受けポケモンのあまりの堅さに驚いた方は多いのではないか。私も始めて組んだパではガブリアスやらトゲキッスといった厨アタッカーを使用していたが、ことごとく受けきられて驚愕したものだ。

 「受け」の定義について今まで述べてこなかったが、簡単に言えば「受け」とは相手のポケモンに対して後出し(交換出し)していっても敵の攻撃を耐えることができ、相手を流したり倒すことができるポケモンのことをさす。人によっては「受け」と「流し」を区別して、受けは再生回復を持つことで対象を何度でも受けられるのに対し、流しは回復技を持たず、流し回数が2、3回に限られると定義することもある。

 ポケモンの受けには基本的に物理受けと特殊受けの2種類があるが、その中でもそれぞれ特定受けと広範囲受けに細分されることを考えると4種類存在するとも言える。厳密に仮想敵を持ちそれを受けることに特化したものを特定受けと呼び、仮想敵を持たずに物理全般、特殊全般を受けるポケモンを広範囲受けと呼ぶ。

 例えばヌオーなどは種族値が低くとても広範囲物理受けとしては使えないが、以前の考察で見てきたとおりギャラドスやエレキブルはがっちり止める、まさに特定受けである。

 物理の広範囲受けはカバルドン、特殊の広範囲受けはハピナスが有名だろう。彼らは特化したときの防御性能が非常に高く、等倍の技でも場合によっては無理やり止めることができるのが特徴である。

 お気づきのようにここまでの考察では特定受けについてのみしか考えてきておらず、広範囲受けを採用する気は一切なかったが、これには理由がある。

 ポケモンは持てる役割が明確でないと使いにくい。受けの選択においても仮想敵を決めて受けを選択することが重要となる。仮想敵のいない、つまり役割の不明確なポケモンは出すタイミングがないので、無理やり出そうとすると交換際の攻撃で大ダメージを受けてしまったりする。これはダイパプラチナ時代になって潰しの決定力が底上げされたために起きた現象で、受けの細分化とも呼ぶことができるかもしれない。

 例えば前述のカバルドンなどは種族値を見るとHP108防御118でとてつもなく堅い印象を受ける。しかし半減できる属性が毒、岩、電気しかないため、実際のところ受けられる物理アタッカーはほとんど存在しない。

【例】
・ハチマキカイリキーの爆裂パンチで41%-48%の被ダメージは一回混乱が発動したら落ちてしまうし、仮になまける連打で粘ってもカイリキーに決定打を与えられないので流すことはできない。
・根性ヘラのインファイトは43%-51%で乱数域に入っており、その他のダメージ蓄積があれば2発で突破
・ギャラドスはタイプ的に受けができない
・ボーマンダは逆鱗も厳しいが二刀流の流星群もあるのでとてもじゃないが受けられない

 このように今まで考察してきたようなポケモンに対して全く役割を持てない。どんなに能力値が高くても、その能力を以って受ける対象がいなければ宝の持ち腐れであり、パーティーに組み込む動機とはならない。

 ただし、ハピナスだけは今作唯一の広範囲受けと言って良い受け性能を持っており、スターミーやポリゴンZ、メガヤンマなどかなりの特殊アタッカーを等倍でも無理やり受けることができる。ただし、水受けの考察で見てきた高速移動みがヤタエンペルトやすいすいキングドラなどは決定力が高すぎて受けが難しい事に注意を要する。

 パに受けポケモンを組み込むときはそのポケモンが受ける対象を明確にして努力値や技の構成を考えなければならず、漠然と特殊は全部ハピ任せ、というようなパでは勝率は上がらないということである。

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