2009年9月27日日曜日

21、先発

 今回は先発ポケモンについて考えてみる。実はリンクにあるコムさんのブログでとても詳細な先発考察を行っているので、その内容とできるだけ被らないように気をつけたい。

 6on6の先発において重要なことはいくつかあるだろうが

・ステルスロックを撒く
・天候変化を起こす
・バトンを決める

 などのテーマを持ったパーティーでは先発にこれらの技とタスキを持たせてなんとしても仕事をさせようというのが最初に考えがちな先発候補ではないかと思う。タスキステロプテラなどは環境の最初期に見られた有名な例である。

 ただ、私はこれらの先発に無理矢理仕事をさせようとする方向性は6on6においては実りが少ないと考えている。確かにステロの1対戦における総ダメージを最大化するためには1ターン目に打つのが一番効率が良いし、天候変化やバトンタッチをテーマにしたパなら早くコンボを決めたくなるのは自然な考えである。しかし、そのために相性の悪い相手に「タスキで耐えてステロ、雨乞い」という行動をとる事は、いきなり貴重な手持ちを1匹瀕死に追いやることとなり、その後の追い上げで1匹分のディスアドバンテージを取り返さなくてはならなくなる。6on6では2タテも3タテもするのは非常に難しく、1匹分の投資を回収することができなくなりがちである。

 よく言われる事で改めて書くまでもないかもしれないが、ステロや雨乞いなどは有利な相手に対峙した時に流し際に打つくらいでないと、本末転倒な結果を招く。それでは先発にふさわしいポケモンは誰かというと、以下のような条件が挙げられるのではないか

・できるだけ多くのポケモンに対してタイマン性能で勝る
・先発でなくても引っ込んだ後の中盤、終盤にも役割を持てる
・1ターン目に予想外の一撃で死んだりしない

 できるだけ多くのポケモンに対してタイマン性能で勝るというのは簡単な話で、相手の先発は誰が出てくるのかわからないのだから誰が出てきても有利に立ち回れるように、という要求である。また、先発での活躍に特化したばかりに中盤以降に使い道がなくなってしまってはいけない。最速スカーフワタッコで1ターン目に眠り粉を使えば第1ターンだけは確実に有利に立てそうだが、そのワタッコが中盤以降に全く役割を持てないようでは問題であろう。また、先発では双方共にアドバンテージを取ろうと虚を突きあうことになるが、その時まさかのめざパで一撃死した、などは避けるべき事態である。

 タイマン性能という観点からすれば、やはりスカーフ持ちが先発としては非常に安定する。130族を使っていてもスカーフ持ちには簡単に抜かれてしまうので、むしろ先発サンダースなどは敵のスカーフの格好の的となりえる。ただし先発スカーフはスカーフの持ち主がバレやすいという欠点もある。

 臆病最速スカーフスターミーは上記の条件をほぼ全て満たしており、先発に迷ったらとりあえず突っ込んでおいて問題はないと思われる有力な先発候補ではある。しかし、有名になりすぎたのが仇となり、1ターン目に冷凍ビームやキネシスを読んでハッサムグロスに受けられ、交換際に追い討ちでぶっ殺されるという悲惨な目に遭われた方も多いのではないだろうか。ハチマキ追い討ちハッサムはスカーフスターミーのキラーであり、出てくるタイミングを読んでドロポンを打ち込めないと一気に形成を損なう。

 さらに付け加えるなら先発が対峙したときに不利なポケモン、あるいは呼びやすいポケモンに対して交換出ししていく2番手をパに仕込んでおくことも先発の選択と並んで重要なことである。例えば先発スカーフマンダに対して敵がマンムーだった場合はどうやっても引っ込むしかないが、このような状況は対戦前から容易に想像できるので当然マンムーに対して安定なドータクンなどを仕込んでおくのが良いだろう。
 ところで「できるだけ多くのポケモンに対してタイマン性能で勝る」ということは、何百匹も存在するポケモン全種類に有利であることを要求しているのではなく、その環境に数として最も多く存在するポケモンに対して有利であることを求めている点に注意が必要である。これは当然ながらメタゲームに依存する要素であり、数が多いといっても先発で出てこないで控えにいることが多いポケモンもいるため、より正確に言うならば【先発率の高いポケモン】をメタる必要がある。

 極端な話、その環境において先発の9割がスターミーならばスターミーに強いポケモンを選択すれば良いだけで、先発に限ってはボーマンダやゴウカザルはほとんど無視しても良い事になる。

 私は対戦の履歴を記録してメタゲームの指標としているが、先発起用率が高いポケモンは【ゴウカザル、ハッサム、ギャラドス、マンムー、ボーマンダ】などが挙げられる。6on6は先発や死に出し、後半の打ち合いと偶発対峙のタイミングが非常に多いレギュレーションであるが、偶発対峙したときにどれだけ多くの頻度で相性有利に持ち込めるかというのが勝率に大きく関わってくる。

 最後に、先発タスキは私は好まないが、タスキがむしゃらマンムーやゴウカザルはしっかり対策を考えておかないと手軽にアドバンテージを取られてしまうので注意が必要である。

【マンムー 陽気】
【素早さ252 攻撃252】
【ステロ がむしゃら 礫 地震】

【ゴウカザル 無邪気or臆病or陽気】
【素早さ252 特攻252】
【ステロ がむしゃら 真空波 選択】

 こいつらは「ステロ→タスキ耐え→がむしゃら→死亡」という流れを狙って初手に出てくるが、理想どおりに働けば一方的にステロを残しつつこちらの被害は1匹、相手はHP1が1匹という状態になる。死に出しで先制技を持つポケモンを出せば相手のHP1は引っ込んでもステロで出れなくなるし突っ込んでも先制技で死ぬという結果になり、結局1対1交換+ステロ撒きという結果になってしまう。簡単な対策としてはがむしゃらのターンにゲンガーに交換してがむしゃらをすかす、がむしゃらのターンにこちらが先制技をかける、などが考えられる。

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