2009年9月28日月曜日

22、対戦の流れ

 6on6の対戦の流れ、特にある程度拮抗した潰しパ同士の対戦の流れについて考えてみる。実際にはパに多くの受けを仕込んだ受けパや昆布パなども存在していてこの通りにはならないのだが、話を単純化するために潰しパの対戦を想定する。ポケモンの対戦はパーティー構築、ポケモン育成、実戦の3つから成り立っていると考えられるが、実際の立ち回りを想定することがパーティー構築に影響を及ぼしてくるのは言うまでもない。

 6on6の対戦はまず、お互いの手持ちが全くわからない状態で先発同士が対峙するところから始まる。

 序盤はここで相性の良い側が技をはなち、相性の悪い側が交換で応じるといった消耗戦が繰り広げられる。よほど下手な構築をしていなければ初手の攻撃で1匹落ちてしまうということはなく、しばらくは相性が良い側が攻撃を当て逃げする流し合いが行われる。
 しかし流し合いは長く続くわけではなく、どうしても受けられない攻撃に対しては1匹切って対応せざるを得ない場面が出てくる。もしくは交換読み役割破壊が命中して思いがけず1体失うこともあるだろう。このようにお互いのポケモンが消耗しだして1匹2匹と倒れていくのが中盤戦にあたる。
 そして死に出しの打ち合いからお互いに切るポケモンを選択しつつ残り3匹ずつくらいになるとバトルは終盤に入る。

 少々乱暴だがここでは6on6の対戦を以上の3段階のステージに単純化した。すなわち

1、6匹対6匹の序盤
2、4~5匹の中盤
3、3匹以下の終盤

 とした。以降では各段階にどのような駆け引きが行われるか考えてみる。ただし、考察は番号順ではなく後ろから順番に行う。

 対戦で常に考えるべきことは「どうすれば勝てるか」という事だが、そこからバックキャスティングで思考していくと「どうすれば有利な終盤を迎えられるか」という事を考えることがまず重要になってくる。勝ちやすい終盤を意識した上でそのためにはどのような中盤戦が求められるか、さらに序盤戦の戦略にまでさかのぼって考えることが可能になる。

3、終盤
 6on6の終盤戦の基本は「打ち合い」である。つまりタイマン性能に優れた潰しを多く残した方が基本的に有利になる。タイマン性能とはつまり素早さと攻撃力のことで、より早く、より攻撃力の高い方が勝負を制する。ただし、素早さは神速やバレットパンチによって覆されうる要素なので、単純に素早さが高い方が強いと言うのは正確ではない。要は敵のモンスター3匹全員に対して先制でき、かつ一撃で仕留められる状況ができれば勝利は確定する。
 珠神速ルカリオが6on6の終盤に圧倒的に強いのはこのためで、雨が振っていようがスカーフを持っていようが先制で仕留められる圏内まで相手のHPを削り込んでおけばゲームは終了である。ハッサムのバレットパンチ、ゴウカザルの真空波、エンペルトやマリルリのアクアジェットなど、そこそこの威力が叩き出せる先制技というものはこのような終盤戦に大きな威力を発揮する。
 次点としては雨グドラなども強力である。敵に雨ハイドロを耐えられるポケモンがいなければ3タテは容易である。
 さらにスカーフ全抜きもありえる話である。スカーフスターミーのキネシスで全員確1まで削られていれば先制技で止めない限りはゲームセットとなる。
 このように終盤を支配するためには敵のポケモンに対してタイマン性能に優れるポケモンを残す必要がある。多くの場合「先制技、スカーフ、天候、素早さ」などが終盤を勝ち抜くために重要な要素となる。

2、中盤
 中盤はお互いのポケモンが流し合いで消耗し、敵の攻撃を受けられなくなってくる段階である。この段階では来るべき終盤戦に備えて誰を残して誰を捨てるのかという取捨選択をしていかなくてはいけない。この取捨選択の判断は敵の手持ちを見て決定するのだが、中盤の戦いで相手の手持ちが全然判明していない、という状況は非常に厳しい。極端な話をすれば、相手の見えていない手持ちにハピナスがいるのに特殊ポケモンばかり残してしまった、などは事実上ゲームが終了している。また、相手の手持ちに厳しいポケモンがいることがわかっていても、それに対抗できるポケモンがパに残っていなかった場合も大変厳しいことになる。
 敵のポケモンが見えていなくても、見えている情報からある程度予想をすることはできる。対戦中に相手の手持ちを予想し続ける作業というのは面倒なようでも重要であり、情報量が多少不利であってもある程度はカバーできる。例えば、少なくともカバルドンのいるパに砂ガブがいる事くらいは初心者でも容易に想像がつく。他にも水ポケモンが1匹もいないパというのはなかなか存在しないので、スターミーかドククラゲあたりが入っているかな、などと予想できる。スターミーが入っていそうなパーティーは結構わかるもので、そこが読めれば中盤にサンダースとゲンガーのどちらかを切らなくてはいけない時にゲンガーを切るという選択肢を選べる。

1、序盤
 序盤ではより有利な中盤、終盤を目指して行動することになる。6on6において有利に中盤終盤を迎えるために重要なことは「見えていない敵のポケモンを把握する事」である。6on6はゲーム開始時点では敵の手持ちが全く分からないという極端に情報量が少ないところから始まる。しかし、序盤の立ち回りによって徐々に敵の手持ちを明らかにしていくことで中盤に捨てるべきポケモンの目星をつけたり、見えていないポケモンの予想をすることができる。
 これは実は非常に重要で、こちらの3匹が相手にばれているのに相手の3匹が全くわからない、という状態で3対3の終盤戦を迎えてしまった場合、ぱっと見には3対3でも勝負は決したようなものである。なぜなら相手はこちらの3匹に対して有利なポケモンを選択して残してきているのに対し、こちらはどのポケモンが相手に対して有効かわからずに適当に3匹を選択してしまっているためである。 よって序盤は相手の情報を先に引き出すのが勝利への近道なのだが、相手の繰り出してくるポケモンは相手が選んでいるので、情報戦を有利に進めるためにはできるだけ早く敵の頭数を減らすのが良いという事に帰着する。もちろん、ほえるを多用するような昆布パで無理やり敵の手持ちを暴いていくというのもありえるが、通常の潰しパでは相手のポケモンを倒すことで情報を引き出していく。
 すると結局は序盤にできるだけ早く敵のポケモンを倒すにはどうすれば良いか、という非常に当たり前な事を考えることになる。それには今までの記事で述べてきたように潰しポケモンを運用することになる。すなわち起点を利用して場に出し、決定力増加アイテムを持たせて殴る。流し際は殴るのが基本だが交換読み役割破壊やとんぼ返り、身代わりなどによってアドバンテージを狙っていく。
 そして、できるだけ先に敵を潰すためには有利対峙で一方的に殴れる機会を多く得た方が良いので、突き詰めれば先発の偶発対峙の時点からできるだけ有利に立ち回れるようにパを組むことが必要になる。また、ハッサムの交換読みとんぼ返りは一撃で十分なダメージを与えつつも交換後の対峙でも有利に立ち回れるので潰し速度を大きく加速させる。

 見せ合いなしの6on6は運ゲーだ、という意見を耳にすることがある。しかし環境によって使用可能ポケモンが規定されている限り、パに入りうるポケモンというものは限られてくる。するとその中でメタゲームを想定してパを組み、さらに実際の対戦では序盤から中盤の立ち回りによって少しずつ相手の手持ち情報を引き出して終盤に残すポケモンを選択していけば、終盤の打ち合いは必ずしも運ゲーになるとは思えない。

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